こんにちは、小野アムスデン道子です。記念日には思い出と紐付いた場所で過ごしたいもの。私は「ウェスティンホテル東京」がオープンした1994年に、恵比寿に引っ越してきました。恵比寿ガーデンプレイスも同年の開業で、思い出の地でもあり、それぞれが周年を迎える度に「自分も恵比寿で何周年」という感慨にふけって来たものです。
今は、オレゴン州ポートランドと行き来をしているのですが、ちょうど昨年、夫が来日している折に結婚記念日を迎えたので、何度も訪れているけど宿泊をしたことがなかったウェスティンホテル東京に食事の後、そのまま泊まることにしました。すると、さすがヨーロピアンクラシックな佇まいでは群を抜くホテル、ご近所だとはとても思えない非日常な滞在が楽しめました。
ホテルの前に停めてあったのは、ウェディングの時のパレードの馬車。花婿が手を添えて花嫁が馬車に乗り込む、素敵な後ろ姿を見たのを思い出し、甘酸っぱい気分になりました。大理石の円柱が立つ重厚なフロア、ブルーの絨毯が敷かれた螺旋階段がある華麗なロビーは、アンピール様式というナポレオン一世の帝政時代スタイル。
この吹き抜けの大空間は、いつ来ても一瞬にしてヨーロッパを訪れたような気持ちにさせてくれます。館内にふんわりと漂うホワイトティーの香りと、クラシカルな絨毯が敷かれた廊下もウェスティンホテル東京らしさが溢れています。
今回泊まったのは、クラブフロアのダブルの部屋。リビングスペースの向こうには恵比寿の夜景が広がり、私たちの部屋からは輝く東京タワーも見えました。住んでいる街がまったく別の表情に見えます。
落ち着いたインテリアの客室は、独立して部屋に置かれたスーツハンガーや3面鏡台、コーナーに置かれたデスクとランプなどクラシカルな家具が、これまたヨーロッパの邸宅の部屋のよう。黒大理石のシックなバスルーム、ツインボールのゆったりしたパウダールームと、なんとも贅沢です。
夕食の前にクラブラウンジで、スパークリングワインで記念日の乾杯。ホテルのクラブフロアは、バーとはまた違う特別感もあってまたいいもの。コロナ禍もあって、アペダイザーは小箱に入れられたものからチョイス。久々にゆっくり夜景を見ながら晩酌の時間を過ごしてから夕食へ。
ウェスティンホテル東京は、フレンチ、鉄板焼き、中華と質の高いレストランが揃っているので迷いましたが、せっかく日本にいるのでということで、日本料理の「舞」へ。プライベートに楽しめる個室があってよかったです。
お料理は、冬の味覚ふぐを”白子の椀もの”、”刺身や湯引き”と様々に堪能しました。最後に水菓子には、上品な鶴亀の水引の飾りが添えられていて、うれしい思い出になりました。こんな記念日に合わせてのおもてなしも嬉しいですね。
都心のホテルだと、食事をしてから帰宅してしまうことがほとんどでしたが、今回は25周年ということもあってそのまま宿泊することにしました。
とても特別な記念日の過ごし方ができました。
取材・文 / 小野アムスデン道子