2024年に日本初のシックスセンシズが京都にできて話題になりましたが、ヨーロッパ初のシックスセンシズは、ポルトガルからスタートしました。スペインからポルトガルへ、という旅をする人もちらほら増えている昨今、ポルトガル第2の都市ポルト郊外にある、絶景の中で至福体験ができるという館に足を伸ばしてみました。
ポートワインで有名なポルト(ポルトも映える場所がいろいろある美しい街です!)から車で90分、ポルトの空港からは75分。ユネスコ世界遺産、ドウロ渓谷の葡萄畑を走っていくと、ドウロ川を正面に望むヒルサイドに「シックス センシズ ドウロバレー」が見えてきます。
ここ、元は由緒あるワイン商の館。19世紀のロマネスク様式にシックスセンシズのテイストが織り込まれています。NYが拠点のクローダ・デザインの意匠は青と白のアズレージョ(タイル)から壁の金箔まで、歴史も取り入れながら現代的さを備え、他にない美しいリゾートになっていました。
メイン棟のテラスからは、手前にプールが見えます。まわりは一面葡萄畑。リゾートの敷地が 19 エーカー (8 ha) もあるとは!
日差しがプールにきらきらと反射、まわりに建物がないので空が広い!!
サステナブルリゾートの雄、シックスセンシズは地産地消に重きを置いていますが、中でもここはオーガニックガーデンが充実、スパやレストランの90%以上、野菜とハーブは自家菜園のものを使っています。その力強さは、いかにも体によさそう!
10室のスパには、この場所らしくワインを使ったプロダクツのスペシャル トリートメントがあり、他にも有機ハーブを使ったり、アーユルヴェーダを取り入れていたり、さまざまなセラピー メニューを提供しています。
女性のウエルネスに特化したプログラムなど、最先端のギアやプロダクツなども入れていて、その充実っぷりは、体験の価値ありです。
パーソナル トレーナー付きのジムも併設、屋外ヨガ パビリオンは葡萄畑に面していて、どこまでも続くきれいな葡萄の畝を眺めながらエクササイズできます。
屋内プールは温水で、天井が高く、一面緑の窓に面していて気持ちよく、マッサージジェットはずっと入っていたい、ほんわか心地よい温度!
水中サウンドセラピーや、クライオセラピーも体験可能です。
サウナは赤外線やスチームなどもあり、ドライサウナは緑を眺めながらくつろいで入れるので、とても和めます。 いろんなサウナやジャグジーなどを試していると、あっという間に時間が経って、トリートメントもすると、それで1日過ぎてしまいます!
ドウロ渓谷のヴィンテージ ワインをたくさん揃えたセラーとワイン ショップがあって、ワイン プログラムもいろいろ組まれています。通貨代わりのカードをかざして飲みたいワインのボタンを押すとワインが注がれる、量も3種類から選べるエノマティックマシンも。
ワインテイスティングは毎日開催されており、世界各国からのゲストが参加しています。
ドウロ渓谷の地図にワインの地区名が書かれた木のプレートが配られ、生ハムやチーズをつまみつつ、5種類テイスティングをしていきます。
場所ごとの土壌については畑をスライドで見せながら解説。けっこうていねいでわかりやすく、私が参加したときは質問する人も割といて、1時間ちょっとくらい。ドウロバレーのワイン造りの新しい潮流なども知ることができて興味深い時間となりました。
ホテル敷地内の菜園のハーブも使ってすり鉢で混ぜてバスソルトを作ったり、アロマオイルを調合したり。シックスセンシズお馴染みのワークショップができるアルケミーバーですが、場所によって使うハーブの香りも違い、ここのハーブはとてもよく香ります。
自分で作ったアロマオイルを枕に少したらすと、プールやジャグジー、サウナでだるくなった体とともに、よく眠れそうだったりします。
Vale de Abraão (ヴァレ・デ・アブラオン)というメインレストランは、自家菜園で採れたハーブ や野菜とともに、新鮮な地元の食材をふんだんに使用しているのが特徴。
オープンキッチン、テラス、ダイニング ルーム、それそれ3 つ の違った雰囲気が楽しめるので、気分でテーブルをチョイスできるのもいい感じ。
薪オーブンとジョスパーグリルのあるオープン クッキング ステーションでのシェフの話を伺いながらのディナーは、一組だけのスペシャル。人気で取れませんでしたが、美味しいけどどう作るの? というお料理も多いので、いろいろ見たり聞いたりしながらの時間はとても楽しそうです!
お通しのフムスや、香りの違うバターなどが、素朴に見えるけれど、食べるととても味わい深くて、素材の良さとキッチンのセンスが伺えます。
何気ない前菜の野菜が美味しいとはっとして、体が喜ぶ感じがして嬉しくなります。
魚や肉も近郊から仕入れていて美味しいのですが、またそれぞれに付け合わせている野菜がいい味で、もっと食べたいと思えたり。
そして合わせるワインはグラスの種類も多く、また、ワインリストはポルトガル中心に地域も価格帯も幅広く、ちょっと珍しいワインも置いてあったりして、好きな人はそうとう楽しめます。ポルトガルのワインも洗練されたきれいなものが増えてると実感!
夜も朝も、丘に広がる葡萄畑を見ながらの食事は、春夏の緑や紅葉の赤に抱かれて、ほんとうに心なごみます。
そして野菜の美味しいところに、魅力的な朝食あり!
リストからなんでもオーダーできる、その多彩なメニューもとっても秀逸なのだけれど、ビュッフェもとても充実!
パンの棚も長く、いろいろな種類がずらりと並んでいて、野菜、果物、そのほかのおかずも、朝食に選ばれそうなものは全て逃すまじ! という勢いで並んでいます。
野菜と果物のフレッシュジュースや、ミルクやヨーグルトがしみじみ美味しいのもじわ~~っと幸せを感じます。
そしてのこ横の棚にあるお料理がまた見るからにおいしそうで、もうビュッフェだけでいいのでは? と思うくらい。
実際、どれもとてもレベルが高い! トマトは一見シンプルだけれど、種類違いで5種くらい入っていて、それぞれの酸味と甘みが調和して素晴らしかったり。力ある野菜に、永遠のループで食べていたくなってしまいます。もちろん卵も張りがあって見事に濃い!
ミューズリーのも絶妙のバランス。根菜もフルーツも新鮮で香り高い!
白いのは半熟卵なのですが、これとキノコがどちらもパワフルで、朝からむちゃくちゃ元気になれそうです。自家製ソーセージもピュアな味わい。
ここにいたらものすごく健康になれそう、と心から思える食事でした。
キンタデラックスの部屋。リバービュー、葡萄畑ビュー、それぞれ捨てがたくて迷います! 外観はシックな佇まいながら、中はモダンに洗練されています。
どの部屋にも備えられているタブレットは、照明、ブラインド、テレビなど、すべてこれひとつで操作でき、ルームサービスも注文可能。
シーツ、ベッドマットのこだわりも、シックスセンシズならではの寝心地の良さ。
Valley Roomはプールの先にある離れで、4室のみのハイダウエイ。
エントランスを入ると現れるヴァレーラウンジは広々していて、軽食やおやつが朝から常にあり、夕方からはフリーチャージの白と赤のハウスワインが供されます。
ヴィンヤードガーデンスイートは庭がゆったり。プール付きの部屋も。そして、部屋にはウエルカムのナッツや生チョコなどが5種類も並んでいて、部屋のお茶やコーヒーとともにクオリティがとても高いのもなかなかない素晴らしさ。
ここには専用のプールと、右に見えている温泉のお風呂のようなサーマルスペースもあって、より葡萄畑に囲まれている感があり、とても贅沢な造り。
この本館の、揺れるチェアに座ってゆらゆら川が染まっていく夕焼けを見るのも至福!
スパや食事だけのビジターもありだけれど、周りに何もないので、特別なときに泊まっておこもりして満喫するのも、究極の贅沢といえそうです。