松茸のおいしい季節になりました。私も松茸は大好きです。食欲をそそるあの香り、出汁は味わい深く、そして<松茸を食べている私>、という自己満足も味わえます(笑)。
それにしても松茸は高いですよね。人工栽培が難しく、自然栽培のものを採取するしかない上に、大きくなるまでの年月がかかるため、その希少性から価値も高くなるのですが、人間もやはり『世界に一つだけの花』になって、希少性と価値を高めねば、と思います。
職場で自分が何か専門的にできるスキルがあるとか、家族にとって必要不可欠なお母さんであるとか、それは何でもいいんです。自分の人生の核がどこかを決めて、ブレずにやり続けて唯一無二の存在なる。それが大切です。「私は得意なこともないから無理!」と思う人もいるかもしれません。
でも、普通の人は、駄目な所とちょっといいところと普通のところ、この3つでたいてい構成されていて、その大半を占める「普通のところ」は、磨けば長所になるところでもあるんですね。
裏を返せば、普通の人は伸びしろがあるということ。あなたが本来、持っている宝を畑から掘り出して、必死で磨いて、一角の人間になってください。
コーラス2003年3月号表紙
取材・文/佐藤裕美