「そのままのキミが好きだ」「ありのままの姿が美しい」なんてことをたまに耳にしますが、それが当てはまる人は、ごく少数の本当にキレイな人だけ。それも若いうちに限ります。
年を重ねれば重ねるほど、「そのまま」ではマズいことになります(笑)。「いや、私はもうそのままでいいの、中身をわかってくれる人だけとつきあえばいいわ」と言う人がいるかもしれませんが、見た目は家にとってのドア。ここが汚いと誰も訪ねてきてくれません。やはりきれいに磨く努力が必要です。
とはいえ、へんに厚塗りしたり、着飾ったりするのは、この年齢だと痛い人になりがち。やっぱり大事なのは清潔感ですね。服装も大事ですが、髪の毛が痛んでいないかとか、足のカカトが手入れされているかとか、細かいところが整えられているかどうかで清潔感に差がつきます!
それと同時に、年をとると心の清潔感も表に出てきます。品性のない生き方をしていると、卑しさが顔に表れるし、誠実に生きている人は、しみじみといいなと思う顔になる。
今から絶世の美女になるのは無理でも生き方は変えられるかもしれません。残りの人生をきれいに生きる努力をすれば、死んだあとに語り継がれるあなたの思い出も美しくなるはずですよ。
コーラス1996年7月号表紙
取材・文/佐藤裕美