夫がかまってくれない、子どもに無視される、友達がいない……など、心に孤独を抱えている人は少なくないと思います。とくに人間は群れをなす生き物だから、家族や集団の中でその存在を無視されると強い寂しさに襲われます。
それで誰かにやさしく慰めてもらいたくて、友達に愚痴ったり、不倫に走ったりして、寂しさに溺れていく。でも、ネガティブな感情ばかり振りまかれて、周囲はいい迷惑だし、なんの解決にもなりません。
孤独になっている原因を曖昧にしないで、客観的に分析しないとダメです。そもそも寂しさの根源は、誰にも必要とされていないということだと思うので、なんで自分は必要とされないのか。辛いけれど、我が身を振り返ってみてください。
それと寂しさを埋める一番良い方法は、じつは人に慰めてもらうことではなくて、人の役に立つ人間になることです。自分が人を癒せる人になれば、寂しさは消えます。だからたとえば災害ボランティアなんかに行くのは、すごくいいですね。「ありがとう、ありがとう」と感謝されて、人に頼られているという実感が得られれば、もやもやが解消されるはず。
そして人の支えになることのできる人間の周りには、自然と人が寄ってくるでしょう!!
「淋しい大人たち」(RMC『有閑倶楽部』第12巻収録)
取材・文/佐藤裕美