新型コロナウィルスのせいで、世界中が大混乱してるけど、ひとついいことがありました。世界の経済活動がストップしたために、インドや中国の大気汚染が改善されたり、ベネチアの水がきれいになったり、地球の環境が改善されたらしいです。
裏を返せば、普段はそれだけ人間が地球の環境に負担をかけてるってこと。生き物を食べて、木を伐採して、空気を汚して、ゴミ出して、人がひとり生きていくには地球にたくさん迷惑をかけてる。だったらそのぶん、何かお返ししてから死ねと私は言いたいです。
そんなふうに考えるようになったのは、その昔、『生きていてもいいですか』という中島みゆきのアルバムを聴いたときでした。いや、すごいタイトルよね(笑)。
そのとき、「あなたは生きていてよろしい」という修了印は、いったい誰にもらうのだろうと考えて、それは地球だろうと思ったんです。そして地球から「おまえが生きていたせいで、地球はやばいことになった」と言われないように、せめてプラマイゼロになるように、社会に貢献しなければ……って。
でも当時の私は、タバコを吸って空気は汚すし、子どもはいないから人類の繁栄にも役立ってない。私に存在価値はあるのかと、地球に直談判したかったですよ。
そんなとき、ファンレターを読んでたら、「自殺しようと思ったけど、先生の作品を読んで救われました」なんて書いてあって「ウソ!?」と。私の作品が読者を元気にしたり、楽しくしたりして、多少なりとも人の役に立ってるなら、それも社会貢献としてカウントしていただけるのかなって。それでやっと「私、生きていていいのね」という気持ちになりました。よかった、よかった♪
だから社会貢献の形って、人それぞれ。今、自分が地球のためにできることを考えよう!!
「愛煙家の憂鬱」ぶ~け1996年1月号扉イラスト
取材・文/佐藤裕美