アワエイジ世代になると、職場では年齢的に上のほうだと思います。そのときに気をつけなくちゃいけないのが若い女の子との接し方。
ベテランのあなたからみたら、仕事はできないし、頼りないし、ダメ出ししたいところがいっぱいあると思うのよね。でもこのときに、よっぽど気をつけないと、あなたがいじめているように見えてしまうんですね。
本人はただ「この書類、ここが抜けてるからやり直して」って言ったくらいでも、女の子がちょっと悲しそうにうつむいただけで、周囲からみたら「お局様が若い子をいじめてる」構図に見えてしまうのよ~~~(汗)。最近はパワハラとか、すぐ問題視されがちだし、おじさんたちはすぐに若い子の味方をするから、気づいたら、あなたが悪者になってるなんて場合も。叱るときは、そのフォローも忘れないようにして、周囲にも良好な関係だってアピールするようにしましょう。
とにかく若い子と仲良くしておくと、自分にとってもいいことづくめだと思うのよね。私は駆け出しの頃、落ち目の先輩に結構強烈な嫌味を言われたので、自分が上になったとき、私は絶対あんなことはしないと決心しました。だから『りぼん』のマンガ家さん同士、みんな仲良しでプライベートで一緒に遊びに行ったりしてたのよね。
若いマンガ家さんと遊ぶことで、若い感性をもらえるし、相手は、私の経験やアドバイスをもらえるってことで、まさにWin-Win。「一条さん、面倒見がいいね」なんて周囲の評価も上がるという。何よりも良かったのは、仲良くすることで、私に対する強烈なライバル心を抱かせなかったこと。ヘタにイジメたりしたら、「いつかビッグになって仕返ししてやる!!」って火がつくから、いずれ自分にしっぺ返しがくるのよね。
というわけで、職場の若い人は、ちょっといたらないところがあっても(小娘に多くを望む私が悪い。できないヤツに文句を言うのは時間のムダと思いつつ)、やさしい目でみてあげて、少々のことは我慢してあげよう。ヒロインの座に見苦しくしがみつかないで、名脇役を目指すのがアワエイジ世代の賢い生き方なのでは。
「有閑倶楽部」集英社文庫<コミック版>
取材・文/佐藤裕美