私、30代の頃からずーっとダイエットしてるんだけど、いまだにしてるっていうことは、成功していないってことよね。
いや成功した事はあるのよ!あるんだけどね…気がついたらまたダイエットしてる(涙)。ダイエットとは…食べたい!くそぉ食べたら太ったじゃないか、痩せたい!食べたい!痩せたい!の、まるでメビウスの輪のようで、終わりがないのよ。本を何冊も書けそうなくらい知識もあるし、いろんな健康グッズも買ったのに…なぜダイエットは成功しないのか。結論は「死ぬほど切実な気合が足りない」 でした(笑)。
自慢じゃないけど、人生で「何が何でも手に入れたい!!」と思ったことは、ほぼ100%かなえてきたのよね。たとえばマンガ家になるのも、「マンガ家になれるんだったら、他のすべてはいらない」と思えるくらい強烈な欲望だった。それに比べると「やせたい!」というのは、心の底からの欲望じゃない。
本当の、心からの欲望は「食べたい!!」なのよね。ライバルが強すぎて…負けるのよ。たまに勝つけど、負けるの。ああぁ〰️結局ゆるいのよ。
もし私がモデルとかで、ちゃんとやせないと仕事に著しく影響があるっていうことだったら、ちゃんとダイエットもすると思う。でも、よく考えたら、マンガ家なんだから太ってたっていいじゃない。誰に迷惑かけるわけでもないし。服がきつくなったら買えばいいじゃん…なんて気持ちがどこかにあるから、すぐだらけるんですよね。
しかも、年齢とともに新陳代謝が下がるから、年齢とともにダイエットはきつくなるわけです。体力とか気力に合わせて、ダイエットもゆるくなってくれたらラクなのに!あ〜なぜ逆なの!? 逆だから余計につらい!
「そんな太るようなことしてないのに~」って、同世代の友だちはみんな言うけど、なあにが“太ることしてない”よ。食べてるでしょ!昔と同じように食ってるだろ!?だから太るのよ!太るのよ!太るの!!若い頃と同じことやってたら太るのが中年以降なのよ————————————!!
というわけで、ダイエットは一生エンドレスの闘い。「あきらめたら、そこで試合終了ですよ」っていう『SLAM DUNK』の安西先生の言葉が胸に響く今日この頃でした~〜あーそれにしても鮨が食べたい。
「有閑倶楽部」集英社文庫<コミック版>
取材・文/佐藤裕美