人って、心が揺れ動くとなんとかしたいと思うんだけど、自分の心なのに自分でコントロールできないって事がよくあるのよね。
たとえば、「あの男はやめなさい。絶対不幸になるから」と言われて、自分でもそうだろうなぁとは思うんだけど、思うんだけど…ずるずるずる~と引きずられてしまうのが心ってもので…浅はかと言うか、悲しいわよね。理性ではわかっていても、本能が邪魔するのよ。まぁ最近の一条は、ダイエットぐらいしかこの葛藤は起きないので、平和ですけどね。
とにかくですね、心が制御不能に陥った時、おすすめしたいのは引っ越しです。たとえば都会から田舎に引っ越すとします。そうすると都会では輝いていたちょいワル男が、田舎では、ただの不健康で貧相な男に見えたりもする訳です(笑)。引っ越すことで男の好みも変わるんですね。
恋愛に限らず、住む場所を変えると、モノが違って見えてきます。特に年をとったら、もう性格はめったなことでは変えられないから、環境を変えるしかないのです!環境を変えると、その環境に影響されて、変わらなかった性格もあ〜ら不思議、ちょっと変わってきたりするんですね。
「いや~、でも引っ越しって大変だから」と思っている人は多いと思うけれど、金と時間があれば、すぐにできます!金と時間があれば、意外と簡単!(ということで、いざと言う時のために引っ越し貯金をお勧めします)。心がやばい方にぶんぶん動いて人生破滅に行くことを思えば、引っ越しはそこまでのリスクじゃないと思うけどね。
長年、住み慣れたこの街を離れるのに、すごい覚悟なんてなくても大丈夫。日本中どこに行っても日本語は通じるし、海外だったら何かといろいろ大変で心が揺れている暇がありません(笑)。
それにコロナ禍でリモートワークがOKになったから、今は田舎に引っ越したって仕事ができるっていう人もいるはず。気晴らしに安い家をレンタルして、ちょっと3ヶ月くらい住んでみるとか。
とにかく、人は見るものに影響されて考えも変わってくるから、気持ちを変えたければ見るものを変えればいいよって話です。
私は、これまで麻布十番、新宿、渋谷、吉祥寺と大都会には住んだから、行くとしたら、軽井沢方面かしら。素敵な高原かしら。でも冬は寒いわよね。凍って危険だし……あ~、面倒くさい……ってダメじゃん!(笑)
一条は、特に今の生活に不満はないので、とうぶん現在の家で暮らしたいと思います。
「砂の城」りぼん1978年12月号扉
取材・文/佐藤裕美