こんな言い方すると、身も蓋もないんだけどねぇ、実際そうだと思うのよね。「男は別名保存、女は上書き保存」とか、よく言われるけど、男はつきあった彼女のこと、よく覚えてるのよね。
よく演歌で「昔の女」ってフレーズが出てくるじゃない。「昔の女」に懐かしい甘酸っぱい感覚があるみたいで、過去の勲章みたいな感じなのかしらね…知らんけど。
一瞬、女の方がロマンチックなように思うかもしれないけど、男の方がロマンチストが多いと思います。
モトカノがまだ結婚してなかったりすると、「彼女はきっと僕のことを忘れられないに違いない」なんて、勝手に身の程知らずのずうずうしい勘違いしてる男もいるし、ほんとロマンチックよね。ストーカーも男が多いのは、いつまでも自分に都合の良い勘違いの過去を、ズルズル引きずって忘れられないからでしょうね。
一方、女は現実的だから、すぐに忘れちゃう。
たまに思い出すとしても二通りあって、『元カレはこうじゃなかったのに』とか、今の男に不満がある時。今が幸せなら「あ〰️あいつと別れて良かった』と、思った時くらいでしょうね(笑)。
とゆーか、女は子どもを産んで育てるという太古の昔からの使命がDNAに刻まれているから、現実的にならざるを得ないのよね。愛だの恋だのと言っていても、結局、この子をどうやって食べさせていくかっていうことが一番大事で、生きていくためにどうすれば良いか!?とか、常に考えねばならぬのです。
それゆえ、女がしたたかなのは自然で、生きるための技です。
だから普通は元カレのことをあっさり忘れてしまうのに、いつまでもひきずっているということは、その後の人生、良いことがなかったからとしか思えないんですけどね〰️。
その後の人生が充実してたら、元カレのことなんかすっかり忘れて、恥ずかしながら私のように、昔つきあった男の名前をアシスタントに聞くようになるのよ(笑)。
「あの人、なんて名前だったっけ?」って。これはひどい(笑)。あの時は、人として、いやさすがにまずいだろ、つき合った男ぐらい覚えてろよと…わがドライさに呆れました。
人生いつでも前向きな一条ですが、今同じことやったら「そろそろボケが…」と思われそう(汗)。
まあでもね、その忘れた男に傷つけられてたら、蛇のように執念深く覚えてたと思うから、そこまですっかり忘れてたっていうことは、気持ちよく別れたっていうことで、いい話じゃないですか(笑)。
「砂の城」集英社文庫<コミック版>
取材・文/佐藤裕美