以前、「男で受けた傷は、男で癒すしかない」というのをやりましたけれど、これはその変形バージョン(笑)。
食べ物って、確かに美味しいものを食べてる時はすごく癒し効果が高くて、目が美味しそうと脳に教え、舌表面にある味を感知する味蕾が、様々な味を電気信号でまたもや脳に伝えるのです。
甘味、塩味、酸味、辛味、苦味、おまけにうま味などの味を脳は感じ、食感、歯や顎から伝わる噛み心地にのどごしの良さ。脳は味を受け取るのに夢中になり、幸せになるのです。だもんで、脳も忙しいので食べることに集中してれば他の事は考えません。
だからつらい目にあった時、食べ物に走って、やけ食いする人は少なくないとは思うけど、食べ物の癒し効果って、既にお分かりのように食べている時だけです。時間が短い。残念ながら瞬間芸なのです。
食べてる時は、おいしいし、「幸せ~っ!」て思うけど、あっという間にお腹がいっぱいになってしまう。頑張っても2時間くらい。
効果が長持ちしないから、「寂しい~っ!」て言っては食べて、「悲し~っ!」って言っては食べてと何度も何度も食べるから、当たり前だけど太ります!!まだ酒のほうがちびちび飲めば長持ちするか。
さらに食後には、「たくさん食べてしまった……」「またダイエットしなくちゃ」という後悔が押しよせてくるから、癒し効果はマイナスですね。
その昔私は、男に痛い目にあって、爆食いというか、悔しいから高いものを食べてやる〰️といきり、高級ランチ(このランチと言うところがちょっとせこいなぁ)を食べに行ったんだけど、オーダーした後、待ってる間に「やっちまった!」っていう後悔が押し寄せました。未熟でした。食べた後に、冷静さを取り戻せばいいのにね。
これは私が目撃した実話なんだけど、友達の家に5人の女が遊びに来てて、その中の1人の女友達が内容は忘れたけど、とにかく悲しんで泣いてました。
皆で食事を作って、食べないだろうなぁとは思ったけど、一応その泣いてる女にも声をかけました。ちょっとウジウジしてたけど、結局一緒に食事をし、これおいしいねーとか笑いながら美味しく食事を済ませたとたん…なんと!!またメソメソと泣き出した。器用だわあと感心しましたよ。
ということで、彼女が証明してくれたように、癒されるのは食べている時だけです。
男でつらい目にあっても、やけ食いはやめましょー!!
「有閑倶楽部」集英社文庫<コミック版>
取材・文/佐藤裕美