私が目指しているのは、できるだけ「人に頼らない生活」です。
以前、庭の木を自分で切っていたら、友人に「植木屋さんにやってもらえばいいじゃない」と言われたんだけど、私はそういうのがイヤなんです。だって自分でできるのに、なんでお金払って人にやってもらわなきゃいけないの?
もちろん現役で漫画連載を抱えていた時は、家に出入りする人も多かったし、忙しかったから、月に2回お掃除のプロを頼んで水回りを中心にしっかりやってもらっていたけど、今は時間もたっぷりあるから、自分でできることは自分でやります。
自分でできることも人に頼むような人間にはなりたくないし、はっきり言うと人に何か頼むとそれなりにお礼を言ったり、気がつくと下手に出たり、好意でしてくれた人には好意で返さなければと気遣ってお礼せねばと…なんだかめんどくさい。
さっさと自分でやって、えらい私!よっ働き者♬と褒めて、ご褒美に美味しいもの食べてのほうが性に合ってますね。
王様のように何でも人にやってもらう生活はラクかもしれないけど、年齢を理由に、何でも人任せにしてるうちに、本当に何もできなくなってしまうんじゃないかと思うと怖い。どうせいつかは誰かに頼るようになるとは思うけど、そんな日はできるだけ遠くに置いて生きたい。でもね、そんな生き方してると王様と召使いを両方やらなくちゃいけない事がたまにあって困るのよね(笑)。
昔、洋画でお金持ちのマダムがベッドで朝食をとってるのを観て、すごく憧れたの。ス、ス、素敵━━!!ベッドで朝食!や、や、やってみた〰️〰️い!
買いました、ベット用の折りたたみテーブル!何か、介護用みたいに見えるけど…ううん気にしないわ!さあやるぜ〜マダムごっこ♪ベッドで朝食よ♬
そうね、メニューはカフェオレにクロワッサン、卵は…ん?ちょっと待て!それを作ってベッドまで運んでくれるのは誰だ?…ウーン…私かよ…
ってことで、目覚めたメイドゆかりは急いで台所に直行。ばばばと朝食を作ってテーブルに乗っけてベッドの枕の横に置き、ここからが難しい!そーっとこぼさないように細心の注意を払ってベッドの中に入り、朝食を乗せたテーブルを膝の上に置く。
げっ!カフェオレが〜カップから逃亡!苛立つマダムゆかり。
気を取り直してクロワッサンを食べるマダムゆかり。パンクズがパラパラと毛布の上に落ち、条件反射で掃除をする貧乏くさいマダムゆかり。終わった…
マダムごっこは二度と行われることはなく、折りたたみテーブルは納戸の隅で介護用テーブルとして待機している。多分活躍してくれるだろう。
というわけで、王様と召使いを両方やるのはとても難しいのですが、何でも自分でやれば、お金もかからないし、労働で体を動かせてダイエットにもなって一石二鳥。健康な老後を過ごせますよ~という素晴らしいお話でした。
コーラス2009年7月号扉
取材・文/佐藤裕美