黒い服って実に便利よね。体型カバーになるし、ボロは隠せるし、センスが無いのがバレないし、スタイリッシュにさえ見える。この連載を担当している編集者もライターも黒の服が好きなのよ。仕事柄、黒子に徹したいという気持ちもあるのかもしれないけど、でもね、50歳過ぎの人が全身真っ黒だったりすると、まず一番に考えるのが「葬式か!?」だよね(笑)。
昔、ハリウッド映画をよく見ていた時、いつ見てもびっくりしたのがおばあちゃんの服がスッゲ~~派手だったこと。七面鳥かよっていうぐらい、黄色だ!ピンクだ!オレンジだ!
あきれて見ていたけど、今となっては「そうだアレは正しい!」って、よ〜く分かるようになりましたデス。日本ではピンクは赤ちゃんの色だけど、欧米では年寄りの色です。
若いうちはね、黒かろうが白かろうが何でも似合うわよ。肌の色も明るいし、張りがあるから、黒が余計にそれを引き立たせてくれるし、キリッとシャープな雰囲気も演出してくれます。若さは色を選ばないけど、年寄りは色を選ばないと痛い目にあいます。
ミドルエイジ(一条はこのごまかしまくった言い方は嫌いデス)になると、肌はくすむし、シワもシミもある。年をとると一番減っていくのが体の水分量です。子供は体の70%、大人は60%、老人は50%ぐらいらしい。つまりどんどん脱水状態になって、緩やかにミイラ化していくってことですね。
体を引き締めて見せてくれる黒は、光を吸収する色。くすんだ肌をなおもくすませ、脱水状態を際立たせます。しかも姿勢は前かがみ。それで全身真っ黒だと、魔女狩りのターゲットになりそうで、間違いなく実年齢より老けて見えます。
もはや自力では明るい肌の色をキープできないのならば、周りに膨張色をあしらって乱反射させ、目の錯覚で若々しく見せるというテクが必要です!
以上、40年前にとても似合っていた黒のワンピースを着たら、サイズは問題ないのに葬式にしか見えなかった。それはなぜか!?について、粘着気質一条が研究した結果発表でした。
というわけで、50歳を過ぎたら、全身真っ黒の服は避けて、薄い色とか赤とか花柄とか、顔色が良く見えるきれいな色を選びましょう。黒を着る時は、アクサセサリーは華やかに。50歳になったからといって、急には変われないから、準備は48歳くらいから始めてください!!なぜ48歳?いやなんとなく(笑)
ちなみに美輪明宏さんは、髪も服も金色よね。美輪さんは、中国の昔の皇帝は、たいてい黄色の服を着ていることにヒントを得て、黄色の服を着ているのだとか。黄色は、金運や平和を招く色。色のパワーを取り入れてみるのもおすすめですよ。
「デザイナー」りぼん1974年2月号扉
取材・文/佐藤裕美
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