一条は化粧するのが面倒なので、15年くらい前から眉毛とアイラインをアートメイクしています。「アートメイク」って、読者のみなさんはきっと知ってるわよね。簡単に言うと、タトゥーのように針で皮膚に色素を注入して眉やアイラインなどを描くというもの。入墨ですね。
もうこれが便利で便利で、普段はほとんどすっぴんだけど、たまに化粧が必要な時は目の周りにちょっと色つけて、チークをポンポンとはたいて、リップをペッと塗ったらおしまい♫ ファンデもたまにつけるぐらいかな。お化粧時間3分もかかりません。
ただ、タトゥーと違って皮膚の表面部に色を入れるので、2~3年くらいで色が落ちてしまいます。つまり定期的なメンテナンスが必須なのよ。
私も何度かメンテしてたんだけど、ある時、ケチと冒険心が祟って韓国でメンテ決定!! だってね、日本よりかなり安いし、下地がまだ残ってるからその上に描けばいいだけだから技術もいらないし、さすがに失敗はないはず。
それでネットで「日本語でも大丈夫」っていうクリニックをみつけて行ったんだけど、やっぱり心配だから「眉毛は下がり眉にならないように気をつけてください」「起きた時に、顔のたるみで下にさがるから、それを計算してアートメイクをしてくださいね」と、言いたくない老化の現実にきっちりと向き合って勝負に出ました! よし! このくらい言っとけば大丈夫だろう。
担当のおばちゃんは、「プロなんだから、そんなこと言われなくてもわかってるわよ」って感じで、面倒臭そうに聞いてたんだけど、いざ施術が終わって起き上がってみたら、ショーック〜!! 恐れていた通り、眉毛が見事に下がってる!! おい、おい、おい! 目頭より目尻の方が下がってるじゃないか(怒💢)
キリッとした顔にしたいのに、これじゃごめんなさいの顔じゃないかぁと怒る一条。
そしたらね、聞いてくださいよこのおばちゃんの言ったセリフ。謝りもしないで逆ギレして「私悪くない!」「私はちゃんとやったけどアンタの顔がたるみすぎているからだ」と日本語で言い放ったのよ~~‼ ななななんですって━━!! おいちょっと待て! それが客に向かって言う言葉か!
く~~クソぉ(怒💢) 負けるもんか。こいつ、日本人はきつく言われると泣き寝入りして文句言えないとでも思っているな。残念だが私は、今は亡き石原都知事に感銘を受け『NOと言える日本人』を目指してるんだよ。
「私の顔がたるみすぎてるのは、見て、触れば、すぐわかるだろ!! そんなことも分からないお前が悪い!」と言い放ってやったのだ! が、あぁ…悲しい。たとえ事実だとしても、何が悲しくて韓国まで来てこんなセリフを吐く羽目に…石原さ〜ん、 一条頑張りました。
騒いでたら店のオーナーらしい(人工的に)綺麗なお姉さまが出てきて、騒ぐおばちゃんを追い払ってくれて、オーナー自らなんとか修正してくれました。ふ~、とりあえず最悪は免れた。
最近は、値段の安さから韓国での美容医療が流行してるけど、やっぱり要注意だわ。とくに日本人って謙虚なのはいいけど、謙遜しすぎて正当な主張もできないで終わりがち。一方、韓国人は自分の意見をはっきり主張するのはいいけど、間違いも押し通す圧の強さがあるのよね〜。だから何か問題が起きた時、相当気合いをいれて文句を言わないと泣き寝入りコース 一直線よ。
その点、私は日本人と韓国人の間くらいの性格で、言いたいことは言えるタイプだから大惨事にはならなかったけど、これから海外での美容医療を考えている人は、事前にちゃんとリスクを伝えること。できたらそれを録音したりして、いざというときに備えましょう!
目指せ!NOと言える日本人!!

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取材・文/佐藤裕美
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