気持ちよく暮らす「生活のしきたり」
季節の行事のすごし方や、親戚・ご近所とのおつきあい。恥ずかしくなく普通に暮らすため、カジュアルな決まり事を覚えましょう!
各テーマごとに全部で84の「しきたり」をご紹介します。
教えてくださるのは、生活研究家の阿部絢子さんです。
このパート【おいしく正しく食べるための「習慣」】では、食べ物をしっかり、そして楽しく食べることに関するしきたり22~43をご紹介します。
今回は、しきたり28:食事の時間へ切り替えるために、食卓を整えて拭き清める、についてです。
●おいしく正しく食べるための「習慣」●
四季があることは、食材にも四季があるということです。四季は身体にも影響があり、身体をスムーズに動かすためにも、四季に合わせた食べ物を身体に取り入れることが必要です。
食べられればなんでもいいのではなく、四季に合わせた食べ方、取り入れ方を考えなければなりません。食べ物に困らないからこそ、食べ方、食材の選び方が大切になっているのです。
食べ物をおいしく、楽しく食べることも大切です。姿勢、 箸の持ち方、食べる順序なども、昔から伝えられた習慣です。これらを守ってこそ、おいしく、そして楽しくいただくことができるのです。
食べるのは、基本的な生きる姿勢です。食べることは身体を維持する当たり前の行為です。生きること=食べることともいえるわけですから、シッカリ、キチンと選んで、最後まで残さず食べる、これは、なにより大切な家庭のしきたりとしなければならないでしょう。
しきたり28
食事の時間へ切り替えるために、
食卓を整えて拭き清める
食事をおいしく、楽しくいただくためには、まずは食卓を整えます。ダイニングテーブルに、新聞、雑誌、お菓子、読みかけのチラシ、卓上しょうゆや塩、湯飲みや急須などが散乱していないでしょうか。これらをそのままにして、食事をしてもおいしさは半減してしまいます。食卓は整頓して、整然とした状態にして食事することが、食べる習慣には欠かせません。
食事をする前には、食卓を片づけます。新聞、チラシ、湯飲みや急須、お菓子などは、所定の位置に戻し、食卓はモノのない、綺麗な状態にします。食事前にいったん綺麗な状態にすることは、気持ちが整頓され、食事をするという心になれますし、遊びや休息の時間から食事の時間へと切り替えることができます。この切り替えが、一日にけじめをつけ、規則正しく生活するには大切なことなのだと思います。その後、テーブルを綺麗に拭き清めます。
そして、食事のための食卓を整えていくわけですが、食卓を整えるためにあればいいのが、お膳に代わるお敷き、またはランチョンマットです。これらは一人分の食卓セットを整えるためのかたちとして使用されるものです。なければそれでいいのですが、きちんとしたかたちで食事をする特別日の誕生日、記念日などで使ってもいいでしょう。
必需品では、箸と箸置き、取り皿、ご飯茶碗と汁椀です。ご飯茶碗を左、汁椀右、手前に箸置きと箸、ご飯茶碗の向こうに取り皿、といったように食卓を食事のために整えることです。
いつも食卓を整え、整然として食事することが、食事時間のけじめをつけ、食事をおいしく、楽しくいただくための家庭の欠かせない準備習慣といえます。これが習慣化すれば、毎日の食事がたとえ質素な食事内容(ご飯、味噌汁、お浸し、焼き魚)であったとしても、食に感謝しておいしくいただけるはずです。
次回は、しきたり29:美しく楽しく食べるためにも、姿勢を正しく、箸使いも綺麗にする、についてご紹介します。