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おいしく正しく食べるための「習慣」/しきたり30:子どものうちからきちんと毎食、食べるを習慣化する

阿部 絢子

阿部 絢子

生活研究家。消費生活アドバイザー。

新潟県生まれ。 共立薬科大学卒業。 料理や家事など生活全般にわたる豊富な知識と合理的なア ドバイスで、出版・講演など幅広く活躍中。 著書に『「やさしくて小さな暮らし」を自分で作る』(家の光協会)『始末な暮らし』(幻冬舎)『快適に暮らす小掃除術』 『すぐにできるエコ家事』(ともに集英社be文庫)

気持ちよく暮らす「生活のしきたり」

 

 

季節の行事のすごし方や、親戚・ご近所とのおつきあい。恥ずかしくなく普通に暮らすため、カジュアルな決まり事を覚えましょう!

ここでは、各テーマごとに全部で84の「しきたり」をご紹介します。

教えてくださるのは、生活研究家の阿部絢子さんです。

 

 

このパート【おいしく正しく食べるための「習慣」】では、食べ物をしっかり、そして楽しく食べることに関するしきたり22~43をご紹介します。

今回は、しきたり30:子どものうちからきちんと毎食、食べるを習慣化する、についてです。

 

 

 

●おいしく正しく食べるための「習慣」●

 

四季があることは、食材にも四季があるということ。四季は身体にも影響があり、身体をスムーズに動かすためにも、四季に合った食べ物を取り入れることが必要です。

食べられればなんでもいいのではなく、四季に合わせた食べ方、食材の選び方を考えましょう。

おいしく、楽しく食べることも大切です。姿勢、 箸の持ち方、食べる順序なども、昔から伝えられた習慣です。これらを守ってこそ、おいしく、そして楽しくいただくことができるのです。

 

生きること=食べることともいえるわけですから、シッカリ、キチンと選んで、最後まで残さず食べる、これは、なにより大切な家庭のしきたりとしなければならないでしょう。

 

しきたり30

子どものうちからきちんと毎食、
食べるを習慣化する

 

 

朝寝坊した、朝学校の用意をしている、朝に宿題をしているなど、小学生にとって、いえそれだけではなく、働いているお母さんにとっても、朝の時間は超忙しいとき。バタバタと身支度をして、簡単に朝食を済ませ、あと片づけはそのままにして、すっ飛ぶように会社、学校へと出かけます。

 

朝が忙しいのは、時間がたつのが早く、そのわりには、出かける準備、身支度、朝食などと、出かける前の支度が多いことにあります。そのせいか、どれかが抜け落ちてしまうのが普通です。

 

ある学校で記録した毎日の朝食についての映像を見たことがありました。それによると、朝食に菓子パン一個、カップラーメン、ケーキといった、朝食とは思えない内容が並んでいました。これは、お母さんにも時間がないので、シッカリとした朝食を作ってやれないのでは? と考えてしまいました。

 

私自身も、朝寝坊が習慣でしたから、朝食をきちんと毎日欠かさない、ということができず、いまはおおいに反省しています。理由は、朝食は一日の原動力であり、また身体内の不純物を排出するために、欠かせない食事であるからです。この習慣をつけることなく、大人になっての会社勤めで、とても困惑したからです。

 

すべてにいえることですが、食事でも朝食の習慣化は大切です。小さいうちからきちんと毎食、なかでも朝食を食べることは、身体をつくる始めでもあるわけですから、忙しいことだけを理由にして、抜いてはいけません(偉そうですが、自分の反省からです)。朝食が十分足りていれば、朝から授業にも身が入り、活発な小学校生活になることでしょう。そのためには家族全員、早寝早起きが欠かせません。受験を控えた高校生、中学生では少し難しいかもしれませんが、でも人生の一ポイントで、ちょっと無理して頑張ってみることも、そのあとの人生に有効に働いてくるかもしれません。食べることは、人が動くため、身体を維持するため、欠かせない必須条件です。ただ食べるだけでなく、何を食べるかも大切なのです。菓子パン一個でも牛乳と林檎ひとかけ、おにぎり一個でも、インスタント味噌汁とゆで卵といった内容があれば、十分でしょう。

 

朝食ですから、頑張りすぎることはないのですが、手の抜きすぎは困ります。それはなにより子どもにとって、最後まで影響してくることですから。素早く用意するためには、朝食メニュウを決めてしまうのもいいでしょう。例えば、オランダでのホームスティでは、黒パン、チーズ、牛乳やコーヒーが定番でした。ドイツではミューズリーと牛乳、コーヒー、ゆで卵が定番、といったように決めてしまうのも方法です。

 

毎食きちんと食べる、を家庭での食習慣にしたいものです。

 

 

イラスト/みひらともこ

イラスト/みひらともこ

 

 

 

次回は、しきたり31:食材は地産地消のものを選んで使いきる、についてご紹介します。

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