気持ちよく暮らす「生活のしきたり」
季節の行事のすごし方や、親戚・ご近所とのおつきあい。恥ずかしくなく普通に暮らすため、カジュアルな決まり事を覚えましょう!
ここでは、各テーマごとに全部で84の「しきたり」をご紹介します。
教えてくださるのは、生活研究家の阿部絢子さんです。
このパート【おいしく正しく食べるための「習慣」】では、食べ物をしっかり、そして楽しく食べることに関するしきたり22~43をご紹介します。
今回は、しきたり39:食事は身体づくりの基本、手作りの食事を心がける、についてです。
●おいしく正しく食べるための「習慣」●
四季があることは、食材にも四季があるということです。四季は身体にも影響があり、身体をスムーズに動かすためにも、四季に合わせた食べ物を身体に取り入れることが必要です。
食べられればなんでもいいのではなく、四季に合わせた食べ方、取り入れ方を考えなければなりません。食べ物に困らないからこそ、食べ方、食材の選び方が大切になっているのです。
食べ物をおいしく、楽しく食べることも大切です。姿勢、箸の持ち方、食べる順序なども、昔から伝えられた習慣です。これらを守ってこそ、おいしく、そして楽しくいただくことができるのです。
食べるのは、基本的な生きる姿勢です。食べることは身体を維持する当たり前の行為です。生きること=食べることともいえるわけですから、シッカリ、キチンと選んで、最後まで残さず食べる、これは、なにより大切な家庭のしきたりとしなければならないでしょう。
しきたり39
食事は身体づくりの基本、
手作りの食事を心がける
なんだかとにかく時間がない、仕事でいつも遅くなる、仕事が忙しく食事時間が取れないなど、毎日を忙しく過ごしている現代人は、まとまった時間が取れないので、細かい時間をうまく利用することが得意です。
でも、食事となると、どうでしょうか。簡単に出来あいの総菜を利用する、弁当で済ませる、またはスナック菓子やインスタント食品で手軽に食べるなど、食を手軽く済ませようとする傾向が見られるようです。
食事は大切! とわかってはいるのでしょうが、時間に追われ、きちんと食事を作らないことも多くなっているようです。でも、食事は身体づくりの大切な資源です。身体がしっかりしていなければ、何をやってもすぐに投げ出したくなります。食事作りは身体づくりの基本。特に成長期の子どもには、栄養補給がおおいに必要ですから、食事に気配り、目配り、手配りをしてほしいところです。
以前、夜9時半すぎに、小学校2年生くらいの男の子が、一人でおにぎりとスナック菓子を買おうと、コンビニ内をウロウロと歩いていましたが、きっと塾帰りだったのかもしれません。9時半ですから、家庭の夕食は終わっていたのかもしれませんが、おにぎりならご飯を握っておけますので、お腹を空かせて塾から帰ってくる子どものために、用意しておくことはできましょう。それに、出かける前にもおにぎりなら持たせてやることもできるはずです。
食事を作るのは、大変なことではありません。もちろん本格的フランス料理、イタリア料理などを作ろうとすれば大変だと思うのですが、おにぎりやおいなりさんなどは難しくはないのですから、時間がないときにこそ、ちょっと手をかけて作ってあげたいと思います。
コンビニで子どもが一人ウロウロとしている姿は、なんだか哀れで、悲しい気持ちにさせられました。ご両親はすくすくと育てておられるでしょうが、ほんの少しだけ子どもに目を向けて、食事作りは身体づくりだという認識をもってほしいと思います。食べ盛りの子どもは頭を使ったあと、お腹を空かせるものですから。
次回は、しきたり40:1回の食事を手を抜かずに作って、食べきる、についてご紹介します。