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おいしく正しく食べるための「習慣」/しきたり40:1回の食事を手を抜かずに作って、食べきる

阿部 絢子

阿部 絢子

生活研究家。消費生活アドバイザー。

新潟県生まれ。 共立薬科大学卒業。 料理や家事など生活全般にわたる豊富な知識と合理的なア ドバイスで、出版・講演など幅広く活躍中。 著書に『「やさしくて小さな暮らし」を自分で作る』(家の光協会)『始末な暮らし』(幻冬舎)『快適に暮らす小掃除術』 『すぐにできるエコ家事』(ともに集英社be文庫)

気持ちよく暮らす「生活のしきたり」

 

 

季節の行事のすごし方や、親戚・ご近所とのおつきあい。恥ずかしくなく普通に暮らすため、カジュアルな決まり事を覚えましょう!

ここでは、各テーマごとに全部で84の「しきたり」をご紹介します。

教えてくださるのは、生活研究家の阿部絢子さんです。

 

 

このパート【おいしく正しく食べるための「習慣」】では、食べ物をしっかり、そして楽しく食べることに関するしきたり22~43をご紹介します。

今回は、しきたり40:1回の食事を手を抜かずに作って、食べきる、についてです。

 

 

 

 

●おいしく正しく食べるための「習慣」●

 

四季があることは、食材にも四季があるということです。四季は身体にも影響があり、身体をスムーズに動かすためにも、四季に合わせた食べ物を身体に取り入れることが必要です。

食べるのは、基本的な生きる姿勢です。食べることは身体を維持する当たり前の行為です。生きること=食べることともいえるわけですから、シッカリ、キチンと選んで、最後まで残さず食べる、これは、なにより大切な家庭のしきたりとしなければならないでしょう。

 

 

 

しきたり40

1回の食事を手を抜かずに作って、食べきる

 

 

毎日の食事をどうしようか? と悩む人もいるようですが、実際に、毎日の食事を「バランスよく、栄養摂取」も考えて、となると、悩む気持ちがよくわかります。

 

家族が多ければ、昼の学校給食と同じにならないよう、社員食堂と一緒にしないようなどと気をつかうからです。家族の健康を預かる立場では、十分に気をつかって食事を作るのも当たり前なのですが、作り手にも体調、時間、都合などもあったり、またレストランや旅館のような調理専業というわけでもありませんので、いつもいつも食事にばかり気持ちを集中させていることはできません。

 

そこで、簡単だけど手抜きにならないようなレシピをたくさん持つことにしてはいかがでしょうか。例えばきんぴらですが、食材を変えるだけでいろいろなきんぴらができます。このレシピは意外と有効で、旬の食材をも有効に使え、目先も変わって保存もきくので、手抜きもせずに簡単です。材料としては、うど、ピーマン、にんじん、牛蒡、蓮根、セロリ、山くらげといった材料が適しています。

 

また、お浸しでも同様です。お浸しといえば、ほうれん草、小松菜などが定番ですが、キャベツ、レタス、つまみ菜、もやし、きのこ、海藻などでもお浸しになります。味つけにレモンドレッシング、胡麻、ちりめんじゃこなどを加えると、立派な一品となります。こんな簡単なモノは料理とも呼べないようなモノですが、それでも簡単だからこそ、毎日でも続けて手を抜かずにできるわけです。ちょっと挑戦してみてはいかがでしょうか。

 

私はいつもホームスティで考えさせられるのですが、北ヨーロッパでは、朝、夜は簡単なモノが定番です。朝はパン、紅茶かコーヒー、チーズかジャムか蜂蜜のみです。これが毎朝ですから、料理を考えることがありません。私たちでしたら、ご飯、味噌汁、海苔かじゃこおろしか焼き魚などでしょうか。これなら、ご飯は前の日の夜の残り、味噌汁だけを作ればいいのです。もちろん、おかずも前日の残りなどで十分です。旅館の朝食ではないのですから。

 

つまり、一回の食事を定番にしておくと、毎回の食事をどうしようか、と考えることもなく、簡単なレシピをきちんと作れば手抜きすることにはなりません。私たちはなぜか、毎回の食事を豊かにしようと、あれこれ料理を考えがちですが、一日一回を充足させる食事にすることも大切です。一回だけの充足ですから、そのときを大切に、バランスよく考えることができるはずです。

 

要は、食材を選び、最後までしっかりと食べきること。それには、食材のよさを生かした簡単な作りにすることです。食材の鮮度がよければ、それだけで一品にもなりますし、季節に合わせた旬食材を選べば、栄養も十分足りることになるからです。多くを作るより一回でも手抜きせずしっかりとです。

 

イラスト/みひらともこ

イラスト/みひらともこ

 

 

 

次回は、しきたり41:ふだんは低カロリーの「ケ」の食事をとるようにする、についてご紹介します。

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