私が「ホルモン補充療法—HRT」を、する、薦める、
5つの理由
左足を骨折。HRTだけじゃなく運動も必須!
1)ソフトランディングさせようー体にくるダメージを和らげたい
更年期は特別な時期です。
英語では「メノポーズ」と呼ばれ、「Menopause」と書きます。
閉経をはさんで10年、とても凝縮した特別な時期、「Intense」な時期です。
「intense=集中」、女性の一生の特別な時期です。
女性の健康を守り続けてきた「女性ホルモン」が降下ならぬ、「急降下」する時期です。
公園の滑り台と同じです。
あまりに「勾配」が急だと滑り台から飛び出して、怪我をしてしまうでしょう。
少しでもその「勾配」を緩やかにするために、私は、ホルモン補充療法をしています。
ホルモン補充療法で補充できるエストロゲンの量は、月経があった頃の1/3〜1/5。
当時!と同じほど補充できるわけではありません。
しかし、その少しの量でも、乱着陸、難着陸は、ソフトランディングに変えられるのです。
HRT、どうなの?知りたいこといっぱい。
2)薬漬けにならないために―たくさんの不調をシンプルにケアするために
女性ホルモンは、女性を丈夫に、しなやかに保つホルモンです。
生殖活動だけでなく、卵巣、子宮、乳房だけでなく、
女性の体と心をトータルに守っています。
肌、粘膜、骨、関節、筋肉、血管、脳、免疫系、自律神経系、情動、全てに関係しています。
女性ホルモン量が急降下することで骨が弱くなり、血管がもろくなり、
集中力がなくなったり、脳の老化が進んだり、病気にかかりやすくなったり、
自律神経が乱れて暑かったり寒かったり、眠れなくなったり、
イライラしたり、落ち込んだり。
みんな女性ホルモン量の急降下によるものです。
私の場合は、ものすごく落ち込みやイライラにつながって。
心のキャパが少なくなるのがわかります。
漢方薬やサプリメント、それぞれのお薬などもありますが、
もともとの原因は、女性ホルモンが急になくなったことによるもの。
たくさんの種類の薬を飲んだり、引きこもったりするよりは、
「女性ホルモンを補う」方がよいじゃないですか!
薬漬けにならないために、私はHRT=ホルモン補充療法をしています。
女性ホルモンは本来2種類。主役級のエストロゲンだけでなく、黄体ホルモン、プロゲステロンも補います。この黄体ホルモン、プロゲステロンを補うことで、子宮内膜を厚くせず、子宮体がんからわたし達を守ってくれます。黄体ホルモンはお掃除屋さんともいえます。
3)予防―30年先の体のために今、ホルモン補充療法をしています
今のためにもホルモン補充療法は良いと思います。
ですが私はむしろ予防の、この先30年を健やかに過ごすためにしています。
「不可逆的」という言葉がありますが、一度ヒビを入れてしまったものは、元に戻れません。
ですから、今大丈夫なの、と過ごすより、症状を感じていなくても、
血管や脳を少しでもしなやかに保つために、私はHRTを活用しています。
よく「更年期症状がないのです!」とおっしゃる方がいるのですが、
本来はもっとよい状態なのではないかしらと思って拝見しています。
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4)温かな人生を歩むためにーカップルライフのために
欧米の女性たちがHRTを選ぶ理由の一つには、欧米のカップル文化があります。
女性はいつまでも女性ですし、お相手がいてよいわけですが、
乾燥して、ひりつく膣では困ります。
困るどころではなくて地獄!ですから。
日本でも50歳のはじめて婚が増えているなどと聞いたこともありますし。
更年期の夫妻にはセカンドワイフが必要!?なんて悲しいじゃない。
日本女性、もっとHRTを使ってよいのではないでしょうか。
「そんな〜話、私には関係ないわ!」という人もいるかもしれませんが、
デリケートゾーンが乾くということは、ひどくなれば、
カップルライフだけでなく「股ずれ」が起こり、血まみれになり、
歩行も困難になるということ。日常生活にも支障がでてきます。
欧米ではHRTは量を極少なくして、70、80代女性のQOL(生活の質)にも役立てていますよ。
老人ホームでも、朝はシャワーをして、HRTを使って、自分のために考えて生きていると聞いておりますよ!
ホノルルマラソン10キロも無事フィニッシュ。同じ年の従姉妹と。HRTだけじゃない!運動も必須ね。
5)女性ホルモンでないとケアできない肌状態がある
私の専門は美容です。
化粧品ですべてケアできます、と言いたいところですが、
それを言ったらうそ、という肌状態があります。
治らないニキビや酷いかぶれに肌あれ。ボコボコと首や背中、頭の中にでる吹き出物。
美容の場合、女性には年齢を聞け!と言われますが、更年期、ホルモン世代の肌あれは、
女性ホルモンの変化や減少が大きく関わっています。
HRTで内側から女性ホルモンを補って、ストレートにスキンケアをするのは、
正しいこと、と私は思います。
もちろん、そこに肌を健やかにする良質で誠実なスキンケアも必要になってくるのです。
HRTは処方薬。
「わたしHRTやってみたいのです!」と婦人科の先生にそうお伝えください。
今日はHRTのことについて書きました。
HRTは保険の効く処方薬です。
私はジェルタイプを使っていますが、パッチや飲み薬などいろいろタイプがあります。
婦人科の先生と相談しながら自分にあったタイプを探してください。
そうやって、婦人科に通う習慣がつくこと自体が、病気を未然に防ぐ一番の習慣になります。
自分の人生を安全に豊かに、それが一番の「お得!」と私は思っています。
みなさま、この一年もお世話になりました。
どうぞよいお年をお迎えください。
写真は大好きな別府柳屋で。科学的かつ自然体に生きられたらいいな。