呼吸改善エクササイズ
呼吸量を減らし、体の動きや状況に合わせて最適な呼吸を無意識にできる能力が身につくのが呼吸改善エクササイズ。体の緊張を取ることが重要なので、無理のない範囲でできるものから行ってみて。
呼吸改善エクササイズは以下の4つのステップで行います。
Step 1 呼吸量を減らす
Step 2 横隔膜の可動域(ZOA)を取り戻す
Step 3 背骨の柔軟性を取り戻す
Step 4 滑らかに重心移動ができる体をつくる
【すべての呼吸改善エクササイズの基本】
エクササイズ中の呼吸は鼻呼吸のAが理想的。鼻から吐ききれなかったり、吐いたとき腹筋の動きを感じられなかったり、肋骨が下がらない場合は、息を吐きやすいBで行いましょう。秒数は5秒から始めて、慣れてきたら7~10秒を目指して
●Step 2 横隔膜の可動域(ZOA)を取り戻す●
横隔膜の可動域=ZOAが小さい状態を改善するエクササイズ。
緊張して反った姿勢を正し、
呼吸に必 要な筋肉を強化してZOAを最大化します。
《椅子に足をのせて呼吸》
椅子に足をのせて呼吸をするエクササイズ。太もも裏側の筋肉=ハムストリングが刺激されて骨盤が後傾しやすくなり、緊張によって反った姿勢が改善し、 ZOAを取り戻しやすくなります。
●3回●
姿勢を改善!
1 仰向けに寝て、椅子に足をのせてかかとを軽く椅子に押しつけます。両腕は体の横に伸ばします。腰が反らないよう床につけて尾骨(仙骨の最下部で退化したとされるしっぽ部分)を少し上げます。そのまま5秒で息を吸います
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2 次に5秒で息を吐き、吐いたら呼吸を止めて5秒静止します。このとき、尾骨は下がらないようキープし、肋骨は床のほうに下がるのを意識して。この1、2を3回
《首の下にタオルを置いて呼吸》
現代人はスマホ操作でうつむいている時間が長いことなどが原因で、首の本来のアーチがくずれ、ストレートネックになっている人が多数。思い当たる人はこのエクササイズで改善を。よりZOAを取り戻しやすくなります。
●3回●
ストレートネックを改善!
首の下に丸めたタオルを置き仰向けに寝て両膝を立てます。腰が反らないよう、両手を腰の下に入れて腰で両手の甲を押しつぶすようにし、5秒で息を吸います。次に5秒で吐き、吐いたら呼吸を止めて5秒静止。これを3回
腹筋を強化する呼吸改善エクササイズは次ページで!→
《腕を上げて呼吸》
両腕を上げて行う呼吸。両腕を上げることで体が反りやすくなり、それを抑えるために腹筋が使われます。腹筋が強化されると開いた肋骨が下がり、ZOAが広がります。腰が浮きやすくなるのを腹筋をしっかり働かせて抑えましょう。
●3回●
腹筋強化!
1 仰向けに寝て頭から仙骨までをしっかり床につけ、腰が反らないようにします。そのままの状態で両腕を天井に向かって伸ばし〝前へならえ〞の姿勢をとります
2 両腕を頭のほうに上げていき、万歳の状態に近づけていきます
3 床から腰が浮かないギリギリのところで腕を止め、腹筋が使われるのを感じ取ります。この姿勢のまま鼻から5秒で息を吸い、「ハー」っと言いながら口から5秒で息を吐きます。吐ききったら5秒静止。1~3を3回
《脚を上下させて呼吸》
脚を上下させて呼吸をするエクササイズ。腹筋がさらに強化され、肋骨が下がってZOAが大きくなります。回数をこなすことでなく、使われている筋肉を意識しながら、しっかりと息を吐いて行って。
●10回●
腹筋をさらに強化!
1 仰向けに寝て、頭から仙骨までをしっかりと床につけ、両膝を立てます。両手を腰の下に入れて腰で手の甲を押しつぶすようにし、腰が反らないようにしましょう
2 息を吐きながら、両膝を曲げたまま、足裏が天井を向くくらいまで上げていきます
3 息を吸いながら、両足を床に戻します。この上げ下ろしを10回繰り返しましょう。息を吸うときは腰が反りやすいので特に注意を
次回は、「呼吸改善エクササイズ/Step 3 背骨の柔軟性を取り戻す」をご紹介します。
撮影/城 健太(vale.)ヘア&メイク/木下 優(ロッセット)モデル/島村まみ スタイリスト/程野祐子 構成・原文/和田美穂