フィンランドに惚れ込み、ユニット活動のkukkameri(クッカメリ)として2018年にトラベルガイドブックまで出版してしまった私、新谷麻佐子の田園ツーリズム紀行。第5回のテーマは「フィンランドの田園エリアで見つけたかわいいもの」。ユニークな形をした移動式のおうちと、フィンランドの国獣であるクマをモチーフにしたかわいいものを紹介します。
取材・文/新谷麻佐子
Profile
あらたに・あさこ●イラストレーター&編集者。2009年以降、毎年のようにフィンランドに通い、2014年にムーミンの作者トーベ・ヤンソンが暮らした島「クルーヴハル」に、友人でライターの内山さつきと1週間滞在したのをきっかけに、kukkameri(クッカメリ=フィンランド語で「花の海」の意) を結成。以後、フィンランドの小さな町や四季、暮らしと文化をテーマに取材を続けている。著書に『とっておきのフィンランド』(ダイヤモンド社)がある。http://kukkameri.com
好きな時に好きな場所へ行ける
森の香りに包まれた移動式のおうち
デザインの国、フィンランドには、言わずもがな、かわいいものがいっぱいです!
でも今回の旅のテーマは、「田園ツーリズム」なので、おしゃれなお店が立ち並ぶヘルシンキで見つけたものではなく、フィンランド南部の町、ロホヤ(Lohja)で見つけたなんとも愛らしいものをご紹介。
一目見たら、目が釘付け、まるで飛行船のようなおうち。
こちらは、ロホヤ湖のほとりにあるカフェ Järvi Café & Bar の庭先で見つけました。
車に繋げばどこにでも移動できるので、夕日の見える湖畔に横づけすることも、フィンランド北部のラップランドに持っていくことだって可能です。
この家は「有機の家」 https://www.luomukoti.fi という名前がつけられていて、プラスティックや化学材料が一切使われていません。全てフィンランドの木材でつくられています。
この家をつくったトニ・ゴルツさんは、長年、日本の文化に興味があり、普段から日本茶を飲んでいるのだそう。この移動式の家のアイディアは、鹿児島の銘茶「奥霧島茶」を飲んでいるときに浮かんだとか。
家の内部は、こんな感じです!
中に入ると木の香りに包まれ、窓から差し込む木漏れ日も気持ちがいい!
「森にいる時と同じ気持ちになれるように設計した」というのも納得です。
そしてよーーく見てください。床が畳になっていますよ!
読みたかった本をたんまり持ってきて、のんびりと読書にふけったり、疲れたらごろんと昼寝をしたり。
体を動かしたくなったら、目の前の湖に飛び込む。最高ですね!
国民のアイドル!?
クマモチーフの作品や商品があちこちに
自然を愛するフィンランドの人たちにとって、動物も身近な存在です。
今回の旅で私が遭遇した動物は、ヘラジカ、ウサギ、リスなど。
他に遭遇することは滅多にない動物ですが、フィンランドの国獣として親しまれているのがクマ。そのせいか、クマをモチーフにした商品やオブジェをよく見かけます。
私はクマ好きなので、余計に目についてしまうのかもしれないですけどね。
上の写真は、ロホヤ美術館で開催されていた、野生動物写真家のヘイッキ・ウィッラモさん http://www.heikkiwillamo.com/?lang=en の作品。ひょっこり顔を出すクマが愛らしくてたまりません。
同じロホヤで、こんなかわいいクマも見つけましたよ!
あまりにもなじみすぎて、すぐには気づきませんでしたが(笑)。こちらは宿泊施設のあるケットゥカッリオ体験農場 https://www.en.kettukallio.net/ にて。
そして、フィンランド好きの間で有名なクマといえば、ビールの銘柄「カルフ(Karhu)」。
カルフはフィンランド語でクマという意味です。
スーパーマーケットでも買うことができますが、バーやレストランでもポピュラーなビールで、このクマの絵柄がプリントされたグラスでサーブしてくれるところもあります。
そのカルフグラスがほしくて、あちこち探したこともあるのですが見つからず。
蚤の市ならいつか見つけられるかも? と出会えるのを気長に待っているのでした。
(次回はラトビアの田園エリアで見つけたかわいいものを紹介します!)
取材協力:CAITOプロジェクト(田園ツーリズムプロジェクト) https://balticsea.countryholidays.info/