フィンランドに惚れ込み、ユニット活動のkukkameri(クッカメリ)として2018年にトラベルガイドブックまで出版してしまった私、新谷麻佐子の田園ツーリズム紀行。最終回は前回に続き、エストニアです。サウナ&スイミング、テニス、料理、クラフトなどの体験ができるファームステイ先で見つけた、かわいいものを紹介します。
取材・文/新谷麻佐子
Profile
あらたに・あさこ●イラストレーター&編集者。2009年以降、毎年のようにフィンランドに通い、2014年にムーミンの作者トーベ・ヤンソンが暮らした島「クルーヴハル」に、友人でライターの内山さつきと1週間滞在したのをきっかけに、kukkameri(クッカメリ=フィンランド語で「花の海」の意) を結成。以後、フィンランドの小さな町や四季、暮らしと文化をテーマに取材を続けている。著書に『とっておきのフィンランド』(ダイヤモンド社)がある。http://kukkameri.com
自然に囲まれたファームステイで待っていたのは、
おいしいごはんとかわいいお部屋
今回の旅では特にエストニアで、かわいいものにたくさん出会いました。
なかでもこちらのルフトレ・ツーリズム・ファーム http://www.luhtre.ee/ には、素敵なものがぎゅっと詰まっています。
畑では、旬のジャガイモやハーブの収穫体験もできました。野菜は全てオーガニック!
こちらの宿では、手づくりのフレッシュな野菜を使ったお料理が人気で、ここのごはんを食べたくて泊まりに来る人も多いそう。
それもそのはず、女主人のマルイェさん(下の写真)は、首都タリンで28年間暮らし、ケータリングでおいしいごはんを提供してきたため、舌の肥えた都会の人たちが満足する味を知っているのですから!
こちらがオーナーのマルイェさん。この日は、ソーセージづくりを教えてくれました!
朝ごはんの様子。盛りつけも美しくって見とれてしまいます。
朝から、デザートのケーキまでしっかり食べてしまいました! 写真右端のピッチャーの中にちらっと見えるのは、連載第4回でも紹介したカマ。
お部屋はこんな感じです。花柄の壁紙がかわいい、カントリー調の空間。
聞きそびれてしまったのですが、ベッドカバーのパッチワークはきっとこちらの宿の手づくり!(その理由は、後ほど)
ミトンに帽子、あみぐるみ、パッチワークのクッション等、
ぜーんぶ、91歳のおばあちゃんの手づくり!
母屋のすぐ隣にある、こちらの小さな小屋は、お土産屋さんです!
一歩中に入ったら、たくさんのかわいいが詰まっていました。
ぬいぐるみなんて、ずっと買っていなかったけど、なんだか久々に買いたくなってしまいました。手のひらサイズなので、本棚や玄関にちょこんと置いてもかわいい。
ミトンや帽子など、実用的なものも充実。
こちらが、私が買ったミトン。ああ、冬が待ち遠しい!
この手袋に合うコートがほしくなってしまうのでした。
パッチワークのベッドカバーやバッグも。
ここで販売されていたハンドメイドのアイテムは全て、こちらのファームを経営するご家族の91歳(!!)のおばあちゃんがつくったものだそう!
帰国後、写真を見ていたら、部屋のベッドカバーもパッチワークだったことを思い出し、「きっと部屋のベッドカバーもおばあちゃんの手づくりに違いない!」と思ったのでした。
ここに限らず田園エリアに行くチャンスがあったら、地元のおばあちゃんたちの手編みのミトンは、ぜひチェックして。つくった人から直接購入できるかもしれないですし、観光客で賑わう町中よりずっとお手頃価格だと思います。
まるでおしゃれなヴィンテージショップ!
ミュージアムに並んだ家族の愛用品
お土産屋さんの隣には、小さなミュージアムもありました。
洋服、テーブルウェア、レコードなど、およそ100年前からこちらのファームで代々使われてきたものを展示しています。
どれもこれもさりげなく並べられているけど、とってもおしゃれ。
レース使いが素敵です。展示品なのに買いたくなってしまう!
ルフトレ・ツーリズム・ファームは、首都のタリンから車で1時間ほどのところにあります。
敷地内には、サウナやプール、テニスコートもあり、また、予約をすればキャンドルづくりや、ガラスペインティングなどクラフト体験もできるので、ここで何日も過ごせそう。
ちなみに、ガーデン・ウェディングもできるんですって!
全8回に渡ってお届けした、フィンランド、ラトビア、エストニアの田園ツーリズム。
いかがでしたか?
洗練された都市でお買い物や食事も楽しいけれど、田園エリアでサウナに入ったり、ハイキングをしたり、伝統的な夏至祭を体験したり。これまでヨーロッパに何度も足を運んできたけれど、どれも今まで体験したことのないものばかりでした。
今回の連載を通してどれかひとつでも、皆さんが「いつか行ってみたい!」と思う旅のアイディアが見つかったらうれしいです。
取材協力:CAITOプロジェクト(田園ツーリズムプロジェクト)https://balticsea.countryholidays.info/