日々の小さな積み重ねが、健やかな心と体をつくる。
YOJOとは養生のこと。
切実ではなく、楽しみながら続けたい自分のための小さな約束。
少しずつ変わっていく体に「ありがとう」と言いたくなるYOJOライフとは。
今回のYOJOライフは、ヘルシーリゾート「ホテル クアビオ」を開設した宮田喜代美さん。
2回にわけてご紹介します。
宮田喜代美さん Kiyomi Miyata
profile
1960年生まれ。ファスティング(断食)やマクロビオティック食で病を克服した体験から、
心身の健康を取り戻してほしいという想いを込めて9年前、草津温泉にヘルシーリゾート
「ホテル クアビオ」を開設。
それまでになかった「くつろげるリゾートでの断食や
おいしく華やかな自然食を楽しめるホテル」という新しいスタイルが、
健康や美容を気遣う人々から共感され、業界からも注目を浴びている
心と体が気持ちいいと
喜ぶケアを積極的に
取り入れて
美と健康をキープ
米国・ボストンでの大学生活を終え、アジアやヨーロッパで仕事のキャリアを積んで、30歳で帰国した宮田さん。
「高校卒業後は若さゆえに体に気を遣うこともなく、世界中を飛び回っていましたが、40歳を前にもともと弱かった婦人科系に次々とつらい症状が出はじめたんです。それは痛みと不調と、通院してもよくならないもどかしさの連続。1カ月のうち元気なのは10日ほど、あとの20日間は不調が続き、何とかだましだましやり過ごしていました。
この状況を抱えて途方に暮れていたとき偶然、本屋の健康本のコーナーで石原結實先生の断食に関する本と出会い、縁あって診察を受けることができたのです。何年も悩み続けた症状に対して、それは治りますよ、と言っていただいたときは号泣でした。そこから先生が推奨する玄米菜食と月に3日間の断食を開始。つらいめんげん反応(好転反応ともいい、一時的に症状がぶり返したかのように見える症状)が治まると、症状が日を追うごとに軽くなるのを実感しました」
好奇心旺盛な性格とみるみる症状がよくなることに対する素朴な疑問から、体と健康について猛勉強をスタート。この経験が自身の経営するヘルシーリゾート「ホテル クアビオ」の立ち上げのきっかけにもつながっていきます。これを機に、健康を意識することで気持ちも前向きになれた宮田さん。
「幼少期から日舞やバレエは習っていたものの体づくりのための運動をしてこなかったので、パーソナルトレーナーについて一から見直しました。病気やさまざまな人生経験を経て感じたのは、気持ちと体はリンクしているということ。そのためにも食・運動・環境には気を配っています。頑張りすぎるのではなく、心地よさや幸せな心持ちが内側からにじみ出るよう上手に歳を重ねていくのがこれからの目標です」
次回は、宮田さんが日々の生活の中で取り入れているYOJOについて教えていただきます。
撮影/フルフォード海 取材・文/向井真樹