寺社部長の吉田さらさです。
全国各地の寺社を中心とした旅の情報をお伝えしています。
前回は、飛騨高山の市内の魅力的なスポットをご紹介しましたが、今回は、高山を足場にして少し足を伸ばしたお勧めの場所をご案内しましょう。
一番目のおすすめは、飛騨高山美術館です。
JR高山駅から路線バスで15分ほどと、とても行きやすい場所です。
飛騨高山の美術と言えば、飛騨の匠による彫刻やからくり人形が思い浮かびますが、こちらには、意外なことに、ルネ・ラリックやエミール・ガレを中心としたアールヌーヴォーのガラス作品が数多く展示されています。19世紀末インテリア館では、チャールズ・レニー・マッキントッシュの部屋やエミール・ガレの部屋も再現。とても見ごたえがある素晴らしい美術館であり、周辺の自然も美しいということで、「ミシュラン・オレンジガイド・ジャポン」や「ミシュラン・グリーンガイド・ジャポン」で、最高評価の3っ星を獲得しています。
飛騨高山美術館のホームページ
二番目のおすすめは、世界遺産の白川郷と五箇山(ごかやま)です。
合掌造りと呼ばれる独特の屋根を持つ古い木造家屋が並ぶ山間の集落で、今も、実際に人々が暮らしています。
白川郷は飛騨高山と同じ岐阜県ですが、五箇山は県境を越えた富山県にあります。白川郷は近年、外国人観光客も増え、お店も多く、少し開けた感じもしますが、富山県側の五箇山は、時間やシーズンによっては、住人の方の姿しか見かけないほど静かなところです。二地域とも、以前は行くのにたいへんな時間を要した秘境でしたが、現在は道路も整備され、思いのほか簡単に行くことができます。
JR高山駅の隣にバスターミナルがあり、白川郷や五箇山に行く観光バスや路線バスに乗れます。うまく組み合わせれば、富山市や金沢市にも行けるため、多くの外国人観光客がバスを利用します。わたしも今回は、観光バスを利用しました。
まずは遠い方の五箇山に向かいます。五箇山は地域の総称で、世界遺産の合掌造り集落は、菅沼と相倉(あいのくら)。菅沼には9棟の合掌造り家屋がありますが、今回のツアーでは、立ち寄らず、車窓から眺めました。絵本に出てきそうなかわいらしい村でした。
23棟の合掌造り家屋がある相倉では、バスを降りて見学しました。
お店や民宿として営業している家屋もあり、内部見学可能な建物もあります。
しかし、この日は、わたしが乗ってきた観光バスのお客さん以外は、もくもくと雪下ろしをする住人の方にしか出会いませんでした。雪があるので東京から見ればまだまだ寒いですが、4月に近づくにつれ、山では山菜の芽も出てくるというお話を聞かせていただきました。
五箇山の情報はこちらです。
続いて白川郷へ! 次のページに続きます。
続いて白川郷に向かいます。
まずは、全景が見渡せる城山展望台に行き、写真を撮ります。
ここでは、地元の素材を使ったお食事もできます。
お蕎麦、漬物、川魚の甘露煮、そして左上の豆腐にご注目ください。
これは「石とうふ」と言って、この地方独特のもの。「縄で縛れるほど固い」と言われています。けれど、案外口当たりはよく、煮ても焼いても楽しめます。
そこからバスターミナルまで降り、あとは歩いて白川郷を探訪します。
先ほど訪ねた相倉とくらべると、圧倒的に観光客が多く、お店もたくさんあります。
内部見学できる建物も、いくつもあります。今回わたしは、明善寺郷土館という施設を見学しました。お寺なので、仏様を祀る場所もありますが、囲炉裏の部屋もあり、いかにも雪国のお寺という感じでした。
白川郷の情報はこちらです。
http://www.shirakawa-go.gr.jp/
そして三番目におすすめするのは…。次のページへ!
三番目のおすすめは、飛騨古川です。
高山からJR高山本線で30分ほど。小さくて静かな町ですが、昨年から、ここを訪ねる若い人が急増。なぜなら、昨年大ヒットしたアニメ映画「君の名は」の舞台のひとつとなったからです。
わたしも、「君の名は」を見ました。確かにこの駅で主人公が降りるシーンがありましたね。
飛騨古川も高山と同じく、町の真ん中に川が流れており、その両脇に古い町並みがあります。
堀に沿った白壁の土蔵が、なんとも風情があります。雪が積もる時期もよいけれど、あたたかくなると、ここに1000匹あまりの鯉が放たれ、また違った雰囲気になるそうです。
古い町だけに由緒ある寺社も多く、とりわけ毎年1月15日に行われる「三寺まいり」という伝統行事がよく知られています。明治時代に飛騨から信州へ糸引きの出稼ぎに行っていた若い女性が帰省し、この日は和服を着飾って「本光寺」「真宗寺」「円光寺」の三つのお寺を参拝しました。これがきっかけに男女の出会いにつながったことで「縁結びのお参り」としても知られています。この日は、雪で作られたろうそくが町中に並び、幽玄な雰囲気となります。
三寺まいりについて
https://www.hida-kankou.jp/santera/
飛騨古川は、高山から日帰りも可能です。
しかし、この町の風情をより深く味わいたいなら、ぜひ、八ツ三館という料亭旅館に泊まってみてください。
詳しくは次のページでご紹介します。
幕末から料亭として営業していたというこのお宿は、建物自体が有形文化財。個室にもロビーにも、今ではもう手に入らないかも知れない銘木がふんだんに使われ、贅沢この上ない造りになっています。
調度品も歴史を感じる重厚なものばかり。わたしが訪ねたのは3月初めだったので、時代もののお雛様が館内のいたるところに飾られていました。
マッサージチェアが置かれたリラックスルームからは、ライトアップされた雪景色を楽しむことができました。
料亭旅館だけあって、お料理も器も素晴らしかったです。この日は、ひな祭りをイメージした春らしいしつらえでした。
八ツ三館のホームページはこちらです。
飛騨古川の情報はこちらです。
吉田さらさ公式サイト
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