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挽きたての抹茶を味わう心癒される体験「皐盧庵茶舗(こうろあんちゃほ)」

小原誉子

小原誉子

「京都観光おもてなし大使」&旅ライター
アナウンサー、テレビ番組プロデューサーなどを経て、集英社「エクラ」などのライターに。
2011年より京都に在住。
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茶道をする人にとって、憧れの「大徳寺」。千利休とも縁の深い寺院です。その敷地内にある「皐盧庵茶舗(こうろあんちゃほ)」は、日本茶の魅力を京都らしい雰囲気の中で味わえる場所。店主である神田靖明さんは、茶の産地、宇治田原の自家茶園で茶葉を栽培すると共に、日本茶の素晴らしさを広く伝えたいという思いから、この茶舗を開かれました。

ここでは、お茶の販売、喫茶だけでなく、抹茶製造体験、抹茶挽き体験、茶かぶき、日本茶講座、茶道体験など、お茶に親しむさまざまな体験プログラムが用意されています。参加者は、若い女性だけでなく、茶道の経験者、海外からのゲストなど幅広く、それぞれが思い思いにお茶との時間を楽しまれているそう。そこで予約して、所要時間90分、参加費2600円の「抹茶挽き体験」に参加することに。

暖簾をくぐり、店内に一歩入ると、香ばしい茶のかおりに包まれます。玄関脇の趣ある座敷には、すでに歴史を感じさせる石臼の用意がされていました。

さっそく体験の始まりです。まずは、神田さんがお手本を…。「ゆっくりと反時計回りに臼の柄を動かしてください。それだけです…ではやってみてくださいね…」と言い退室。茶室にひとり残され、ひたすら石臼を回します。想像以上に重い石臼。神田さんのように滑らかに一定のスピードで動かすことができません。しかも、臼の中央部に積まれた茶葉は、なかなか減ってゆきません。しだいに痛くなる背中と腰…それでもわずかながら減り始めた臼の上の茶葉を見つめつつ黙々と臼を回します。

静寂の中、微かに臼の動く音が聞こえます。昔、抹茶は、このように人の手で丁寧に挽かれていたそう。今は、機械がそれに代わり、多くの市販の抹茶は機械で挽かれたもの。昔ながらの抹茶挽き…かつては特別な茶席などでは、主人が行っていたことも。なんとも心のこもったおもてなしです。

 

次ページに続きます。

抹茶挽き作業の後は、自分で挽いた抹茶を使い、お薄と和菓子が頂けるのが楽しみ。「ご自分で飲めるくらいは、挽いてくださいね」と言われ、さらに臼を回します。早く終えたいからと言って、速く臼を回すと、美味しい抹茶にはならいとのこと。はやる気持ちを抑え、できるだけ均一のスピードになるように…。30分ほど経った時、「おや、ずいぶん挽けましたね」と神田さん。参加者の中には、5分ほどで石臼を回す作業を止める人もいるそう。「え~途中でやめてもよかったんですか~」と、コチコチになった背中を伸ばしながら伺います。この体験プログラムでは、2~3人のグループでの参加が多く、また単独の場合、他の参加者とご一緒のことも。そのため代わる代わる臼を挽くことになります。たまたまこの日の参加者が私ひとりだったので、他の人を頼れず、お茶の時間を目指し、がんばることに…。

「これは頑張りましたね~たくさん挽けてますよ」と、神田さん。挽き終わった抹茶を茶器に移し、いよいよお薄をいただく時間が始まります。

 

塗りの御膳に並ぶ和菓子が運ばれ、まずは神田さんが点ててくださいました。さっそく自分で挽いた抹茶を味わうことに。「美味しい~」挽きたての抹茶の清々しいお味…それと共に達成感にひたる満ち足りた時間。和菓子のほんのりした甘さが、作業の疲れを癒します。

 

「では、これからはどうぞご自由にお茶をお楽しみください」と、茶室を出る神田さん。それからの時間は、参加者が自由にお点前をしてお茶をいただきます。

茶道の体験のない人も、また初心者でも、炉の前に座り、見よう見まねでお点前を。こんな経験はめったにできるものではありません。参加者が代わる代わるにするお点前。外国人ゲストだけでなく、普段、茶室に縁のない人には、なんとも楽しい体験になります。

 

「もちろん茶道のお点前を知っていればいいんですが、知らなくてもお茶は、十分楽しめるんです。簡単なお点前の順番を知って、お客様をお迎えするときに居間のテーブルで点てるのも素晴らしいと思います。会社でも社員が給湯室でいれたお茶を出すのではなく、経営者などが自らお茶を点てたら、かなり商談での雰囲気が違うと思うんですが…。そういうおもてなしが、人とのつながりを深めるんじゃないでしょうか」と神田さん。

 

確かに家庭でも、気軽に抹茶を楽しめたら、どんなに素敵なことでしょう。朝、コーヒーを飲むのと同じように、抹茶を一服。そんなゆとりある時間に憧れます。りっぱなお道具がなくても、お茶碗と茶筅があれば楽しめる抹茶。この体験を機会に、家でも点ててみようかと…。抹茶との時間が、グッと身近に感じられる体験でした。

 

ここでは体験以外に、抹茶と和菓子、ほうじ茶、煎茶など、自家茶園のお茶が町家の中でのんびり味わうこともできます。もちろん自家茶園でのいろいろなお茶の購入も可能。京都らしさにひたれる思い出深い体験を、ぜひ次回の京都の旅に組み込まれていかがでしょう。

 

 

 

皐盧庵茶舗

京都市北区紫野大徳寺町17-1

☎075‐494‐0677

営業時間:00~日没頃  火・水曜休み

http://kouroan.com

 

 

 

小原誉子ブログ「ネコのミモロのJAPAN TRAVEL」

http://blog.goo.ne.jp/mimoron/


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