奈良といえば、神社仏閣。
その中でも春日大社は、世界遺産でもあり、その歴史の古さでも規模感でもダントツの存在感があります。ちなみに、平成30年の今年で創建1250年になるのだそうです。すごいですよね。
この春日大社には、摂社、末社をあわせると61社もの神様がお祀りされているのをご存知でしたか。知っているものの敷地が広大過ぎて、なかなか全部は行ったことない、という方も多いと思いますが、もし時間があればおすすめしたいのが、春日大社の境内南側にある若宮15社巡り。
若宮とは大宮の第三殿天児屋根命と第四殿比売神の御子神「天押雲根命」様のこと。人々が生涯で遭遇する様々な難所を守ってくださると言われているんです。
さらには、そんな若宮15社の中に、お百度参りが一日で、それも数時間でできてしまう神社があるのです!
お百度参りって、なんだかおどろおどろしいような怖いイメージがありますよね。でも、この「百回神様にお願いする」というのは現代でも行われる正当な方法。願いを叶える力も抜群らしいのですが、とはいえ、いくら叶えたい願いがあっても実際に実行するにはなかなか難しい方法でもあります。
それが、この中にある金龍神社では、数時間で実行可能、昼間でもOK。さらには同じ家に住む家族であれば、回数を分担するのも可能という、なんとも太っ腹な神様なのです。(もちろん同じ願いであることは前提です。)
以前からこの百度参りをしてみたかった私。
今回は帰省も兼ねて、久しぶりに春の奈良を訪れてみることにしました。
今回の帰省は着物で。
着物旅って着替えがあまりいらないので(下着くらい)実は楽ちんなのです。
春の奈良は海外からの観光客もたくさん。
鹿くんたちも餌をもらうために忙しそう。
結婚式に遭遇。素敵!
なんだか得した気分です。どうぞ末永くお幸せに。
さて、百度参りをする前にまずは夫婦大國社に参拝します。
なぜなら金龍神社のお百度参りは、夫婦大國社の社務所で受け付けているからです。「百度参りをしたい。」と申し出て初穂料500円をお支払いすると、専用の数取紐とお百度参りのお作法の説明書きを頂けます。ただし案内はどこにも書いていませんので、裏メニュー的なつもりでお願いするといいかもしれません。
これが数取紐。
一回ごとに一本一本折って数を数えます。
たくさんの絵馬がぶら下がっていて、人気の程が伺えます。
実際に二度三度と繰り返し訪れる人が多いそうです。
百度参りといえば、普通は百度石という入り口近辺にある石とお社を行き来しますが、こちらではこのお社の周りをぐるぐると周ります。
小さめのお社なので、一周数分くらい、確かにこれならいけそう! 二礼二拍手一礼で神様の前でこれからお百度参りをさせて頂く旨をご挨拶したら、いよいよ開始です。数取紐を一周に一本手元で折りながら周ります。お願いごとを心に念じながらひたすら歩きます。時々他の参拝の方々の不思議そうな視線を感じますが、気にしない!特に後半になると、疲れなのか飽きなのかついつい他のことに頭がいってしまいがちになるので、自分を励ましつつ、ひたすら願い事を念じながら歩きます。
無事に百度を周り終えたら、社務所に戻って終了のご報告と数取紐を返却します。すると「金龍お百度奉修」という黄色の札を頂くことができます。
あー、終わった!
短めの時間とはいえ、達成感は半端ありません。
ほっと一息ついたら、もちろん他の神様にもご挨拶しにいきます。
若宮15社巡りの道は緩やかな林の中の道。
のんびり歩いていると、さらに心がすっきりしてくるようです。なんだかいいことありそう!(単純)
百度参りをしたからといって、すぐに願いが叶うなんてインスタントなことはたぶんないのでしょう。でもこれで、神様とご縁を作ることができた、と思えれば、その願いに恥じないよう、またがんばっていけるような気がします。
神社仏閣に参拝する意味は、突き詰めればきっとそういうことなのでしょうね。
京都や奈良など、歴史ある街ではついつい観光気分で訪れてしまいがちですが、たまにはこんな風にちょっぴり真剣(?)な気持ちで訪れてみるのもいいものだな、と思いました。
春日大社