先月4月20日に開業一年目を迎えたGINZA SIX。
週末ともなれば、お洒落なアイテムやグルメを目当てにいまだ多くの人でごった返す人気スポットですよね。
このGINZA SIXの地下に能楽堂があるのをご存知ですか?
それも、集客のための新しい施設ではなく、能楽五流派のうち最大規模を誇る観世流が管理する正統派の舞台が。(ちなみに多くの能楽堂は公的なものは少なく、流派や個人宅の所有が多いんですよ。ちょっとしたトリビアでした。)
この観世流の仕舞を習っている友人からお弟子さん方のお舞台があると誘われて行ってきました。
観世流に入門するとこんな素敵な舞台にあがれるんですねえ。ちょっと憧れます。
GINZA SIXの正面入り口から入ったらそのままエレベーターで地下二階まで降ります。降り立った地下二階は美味しいグルメフロア。つい色々引っかかりそうになりますがそこをぐっと我慢。辻利の抹茶ソフトに並ぶ列を抜け、さらに様々なワインが揃うエノテカを横に奥へ進むと、ガラス戸の向こうにさらに地下へ降りるエレベーターが見えてきます。そう、ここが能楽堂の入り口。なんだか秘密基地みたいでわくわくします。
一歩中に入れば、地下3階とは思えない明るく広い空間。上階の喧騒が嘘みたいに静謐な空気に満ちています。
以前、能楽、特に狂言にはまり、松濤にあった観世能楽堂にも何度か足を運んだことがありましたが、そことなんら変わりない歴史の重みが感じられる空間にちょっと感動してしまいました。
能楽というとなんだか難しそう、とか、敷居が高く感じがちですが、昔はこれが最新の娯楽であり、また神事でもありました。
私たちの先祖は、演じられるさまざまな登場人物に自分を重ねて非日常の時間を楽しんだのでしょう。
確かに現代人の私たちには、独特な台詞回しも謡の不思議な音階も一見ちんぷんかんぷんですが、言ってみればこれは和のオペラみたいなもの。ラテン語やイタリア語がわからなくても楽しめるように、全部聞き取れなくても好きに楽しめばいいのだと思います。
終了後、地下二階に戻れば、余韻を楽しみながらそのまま美味しいワインやカフェも楽しめるおしゃれな環境もまたいいですよね。
海外のオペラハウスやホールには、幕間に一杯楽しめるバーなどが併設されていますが、そんな気分も味わえそう。
たまにはこんな伝統に触れる時間を買い物の合間に楽しむのも、ちょっと素敵じゃないですか?
観世能楽堂