新茶の季節がやって来ました。
我が家近くの茶畑には黒い覆いが被せられ、お茶摘みさんの自転車が沢山停まります。
これから暑くなるんだなぁと感じる時期でもあります。
そんな折、お茶を使ったお菓子の新商品のお披露目会に招待していただきました。
京都は北山に本店を構える洋菓子店「マールブランシュ」。
カフェだけではなく沢山のお菓子も販売されています。
その中でも一番のヒット商品、「茶の菓」の夏バージョンが5月から新発売との事で、商品の紹介や開発秘話などを聞かせていただきました。
会場は銀閣寺の近くの白沙村荘です。
白沙村荘とは。
京都の画家「橋本関雪」が芸術拠点として大正時代に造営したものです。
銀閣寺への途中にある緑豊かな空間で、実はレストランには何度かお邪魔した事はあるのですが、白沙村荘の中に入るのは初めてです。
開始時間までお庭をゆっくり散策なさって下さい、と案内され中に。
前日までの雨も上がり、新緑もみずみずしく気持ちいい。
昔は日本庭園には特に興味もなかったのですが、年々こういった景色に癒されるようになりました。
会場である橋本関雪記念館までぐるりと歩きます。
途中、気になる石があったので眺めていると、記念館のスタッフの方が教えてくださいました。
京都のお酒の広告に、石原裕次郎さんと宇野重吉さんがそこで撮影されたそうで、年代物のポスターも置いてありました。
そうこうしてると記念館に到着。
少しドキドキしながら会場へ向かいます。
「茶の菓」と夏バージョンの「涼 茶の菓」。
対比がとても美しく、圧倒されます。
店頭でもここまでのパネルは置いてありませんね。
そして席には両方の茶の菓と、特別な茶葉を使った水出しのお茶を。
このお茶がとても美味しく、まるで出汁を飲んでいるような濃厚さとコク。
渋みなんかは一切なく、その美味しさに手に入れたいと尋ねてみましたが、今回特別に用意された物だとの事。
しっかり味わう事にします。
東山の新緑をバックにお披露目会が始まりました。
エグゼクティブシェフ パティシエの江崎さんから茶の菓についてのお話です。
茶の菓には宇治茶が使われているのですが、通年商品の茶の菓には〈山の茶葉〉を。
涼 茶の菓には〈川の茶葉〉が使われています。
山の茶葉は宇治の白川で生産され、川の茶葉は木津川の川沿いで生産されているそう。
それぞれに特徴があり、涼 茶の菓には川の茶葉がぴったりと合ったそうです。
茶葉の違いだけではなく、茶の菓にはホワイトチョコレートが挟んであるのですが、夏場はどうしても溶けますよね。
涼 茶の菓にはラングドシャの生地にホワイトチョコレートが練りこんであるのでその心配もありません。
その事が更に抹茶の旨味を引き立てるのだとか。
記念に江崎さんと写真も撮らせていただきました。
私もお菓子を作るのでよくわかるのですが、お菓子に抹茶の色を出すのは容易ではありません。
特に焼き菓子だと色が飛んでしまうのです。
茶の菓も試作から完成まで2年の月日を費やしたそう。
ひとつひとつのお話に感銘を受けました。
記念館からは大文字焼きの大の字が。
これからやって来る京都の暑ーい夏を前に、清々しい新緑と美味しいお菓子を堪能し、身も心も清められた気がしました。
白沙村荘 橋本関雪記念館
http://www.hakusasonso.jp/
マールブランシュ
http://www.malebranche.co.jp/