夏はあちらこちらで開催される祭が楽しみという方も多いことでしょう。
かくいう私もここ数年はすっかり地元の祭りでお神輿を担ぐのが定番になっていて、にわか江戸っ子を気取っています。
東京の祭といえば、江戸三大祭と言われている「神田祭(神田神社)」「山王祭(日枝神社)」「深川八幡祭(富岡八幡宮)」が有名です。
その中でも、深川八幡祭は水かけ祭りとしても名高く、沿道から担ぎ手に向けて豪快に水がかけられる様子も楽しむことができるのですが、実はほぼ隣町である佃~月島で開催される三年に一度の「住吉神社例大祭(佃祭)」もこれに負けず劣らず盛大な水かけ祭りなのをご存知でしたか?
徳川家康が江戸へ下ったとき、摂津国佃の漁夫を連れてきて住まわせたのが佃の成り立ち。
そのご縁で創建されたという住吉神社の祭は、都内ではここだけという「八角神輿」や、掴むと縁起が良いという獅子の鼻めがけて人が殺到する「獅子頭の宮出し」など独特のものがたくさんあります。
特に川と海に囲まれた佃という場所柄や、漁師が信心したという理由もあるのでしょうか、渡御と言われるお神輿のおでましを船で行うのも面白いところ。
今年はそんな船渡御出船を見におでかけしてきました。
晴海沖で行われる海上祭へ船渡御出船が出港するのは、日曜朝の7時。
場所取りを考えて普段よりかなりの早起きしたので、眠いよーと思いながら月島駅に降り立ちます。
そこから佃方面へ歩くと、既に川沿いには多くの人が思い思いに船が出るを待っていました。
八角神輿を乗せた船が通り過ぎていきます。
これから、川と海を上手くつなぎ、佃の町を水面からぐるりと巡幸するのです。
船が戻ってきました。
これから神輿を下ろして、今度は人が担いでまた町内を巡るのです。
階段ももちろん担いで登ります。
神輿は見た目以上に重いものなので、かなり大変そう。迫力あります。
差しとは神輿を高く差し上げることで、「御霊(神様)を高く差し上げる」という意味があるらしいです。私は以前、神輿をたくさん動かせば動かすほど、乗っていらっしゃる神様が喜んでくださる、と教えてもらいました。
確かにいつもは拝殿の中でじっと私たちの願いを聞いてくださるばかりの神様。そんな神様がたまに神輿に乗って外に出たのなら、遊園地ではないけれど、たくさん上下に動いたりいろんなものが見れる方が楽しいはずですよね。
高く差し上げられた神輿の中で神様が喜ばれている姿を想像すると、なんだか幸せな気分になれませんか?
この八角神輿は、翌日月曜日夜に再び神社へ宮入します。もちろん見に行きましたが、一般客は神社境内には入れないので遠目で運ばれていく神輿を眺めるばかり。三年後は境内に入りたいなあ。
いかがでしたか。
マンションなどの集合住宅が増え、地域のイベントである祭に参加する人は徐々に減っているそうです。担ぐ人数を調達できないこともあると聞きました。地域独特の文化の継承をも担う地域のお祭り、廃れてしまわないようにこれからもたくさんの人が楽しめる場であることを願ってやみません。