こんにちは。寺社部長の吉田さらさです。
前回に引き続き、クィーン・エリザベスで日本一周の旅です。
1日目は夕刻に横浜の大黒ふ頭を出港し、翌日は、どこにも寄港しない完全航海日です。
クルーズ船は、乗っていること自体を楽しみたいという人が多いため、全日程のうち何日かは、こうした完全航海日があります。今回は、2日目と最終日の9日目がそうでした。
まずは朝食です。
航海日はのんびりできるので、座席の決まったメインダイニングでいただきました。
パンケーキやフレンチトーストなどが美味しいですが、サービスがちょっと遅いのが難点。クルーズ船のレストランはどれもそうなんですが、何しろお客さんの人数が多いので、どうしてもお料理が出てくるのが遅いんですね。その結果、やがて皆が手っ取り早いブュッフェの方に行くようになります。すると、そちらも大混雑して、まるでそのへんのファーストフード店のような席取り合戦が始まる、というラグジュアリー船らしからぬ光景も見かけます。
この日を楽しく過ごせる人が船旅の達人で、「ちょっと退屈だな」と思う人は初心者だという話を聞いたことがあります。わたしはこれまで4回クルーズ船に乗りましたが、まだまだ修行が足りず、航海日は時間を持て余し気味になります。
しかし、今回は、ズンバ(エアロビ風のエクササイズ)や、社交ダンスの初心者教室などもあり、それなりに楽しめました。
船内のあちこちでイベントも行われます。これはフルーツカービングのチャンピオンによる実演です。
午後には、クィーンエリザベスならではの素敵なサービス、アフタヌーンティの時間があります。サンドイッチ、ケーキ、スコーンなどを満載したトレーを持って、ボーイさんたちが回ってきます。どれをいくついただいてもいいんですよ。
お部屋に帰ると、ベッドの上に、ウサギの形のチョコレートが置いてありました。イースターのプレゼントです。
2日目は函館に寄港しました。
すべての船がそうではないと思いますが、今回は、どこの寄港地でも、街の中心部に出るシャトルバスがあり、無料で乗れました。
函館は素敵な観光地で、朝市、金森倉庫、函館ハリストス正教会など、見どころがいっぱいです。
高台からは、われらがクィーンエリザベス号の美しい姿も見えました。
函館山からの眺め、最高です。
船に戻ると、シアターで、函館遺愛女子高等学校の吹奏楽部による素晴らしい演奏会がありました。航海中、このシアターではいろいろなショーを見ましたが、この演奏が最高でした。欧米系の乗客の皆さんも、まるでオペラみたいにブラボーと叫んでおられ、アンコールを求める拍手も鳴りやまず、彼女たちは果たして下船できるのかと心配になったほどです。
でも、大丈夫。ちゃんと下船できたようで、出航の時には、彼女たちが岸壁で、イカ踊りをして見送ってくれました。イカ踊りとは、函館名物のイカをイメージした創作ダンスのようです。もし自分が高校生で、こんなふうに外国から来た船で演奏したり見送ったりできたら、どれほど嬉しくて思い出に残るだろう。そんなふうに考えると、何だか胸が熱くなるのでした。
美しい函館湾の夕暮れ。船からしか見ることができない光景です。
優雅なハープの演奏を聴きながら、ディナータイムを待ちます。彼女は、偶然、わたしの友人のそのまた友人だったカシャップさん。ずっと船に乗り、世界中を回って演奏しておられるとか。
3日目は秋田に寄港です。
竿燈の実演によるお出迎えに度肝を抜かれました。これまで乗った船では、こんなすごいお出迎えイベントはなかったような・・・。やはりクィーンエリザベスが寄港するのは特別なことなんでしょうか。
船着き場からほど近いところに秋田港駅があり、普段は貨物専用ですが、クルーズ船が着く日だけ、お客さん用の列車が走ります。これも素敵なサービスですね。
秋田駅では、なまはげのお出迎えもありました。
まずは、藤田嗣治の大作「秋田の祭り」を見るために、秋田県立美術館へ。ずっと見たかったこの絵、やっぱり素晴らしかった。
時は4月中旬。千秋公園の桜が満開でした。
お見送りは西馬音内盆踊りで。貴重な伝統行事を次々に見ることができてうれしいです。引き続き、まだ空が明るいのに、花火まで上げてくれました。それが終わると、クィーン・エリザベス号から感謝とさようならの気持ちを込めた汽笛が「ボーッ」と鳴り、何だか涙が出そうになりました。各地のお出迎え、お見送り行事がますます楽しみになって来ました。
世にも美しい水平線に沈む夕日です。船でなければ、これも絶対に見られない。
クィーン・エリザベスの日本一周旅行は、次回に続きます。
吉田さらさ
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