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豪華客船で優雅に日本一周の旅 その3 人生最初で最後?の仮面舞踏会

吉田さらさ

吉田さらさ

寺と神社の旅研究家。

女性誌の編集者を経て、寺社専門の文筆業を始める。各種講座の講師、寺社旅の案内人なども務めている。著書に「京都仏像を巡る旅」、「お江戸寺町散歩」(いずれも集英社be文庫)、「奈良、寺あそび 仏像ばなし」(岳陽舎)、「近江若狭の仏像」(JTBパブリッシング)など。

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こんにちは、寺社部長の吉田さらさです。

引き続き、クィーン・エリザベス号の旅をレポートします。

横浜港を出港し、これまで、函館、秋田と旅してきました。いずれの港でも素晴らしい送迎イベントが行われ、海外からの乗客たちも楽しみにしているようです。お隣の部屋の人は、送迎イベントの人々と交信するために、バルコニーの柵に国旗を取りつけていました。上の写真の上から2番目くらいの階に、赤い旗のようなものが見えるでしょうか。

この国旗は、ウェールズのもの。お国からここまで乗っていらしたみたいです。世界一周の途上でしょうか。

3つ目の寄港地は金沢です。テントの背後に、乗客を市内に運ぶためのシャトルバスがスタンバイしています。

ますますヒートアップするお出迎えイベント。こちらでは、美しい加賀友禅の着物を着た女性たちがずらりと並んで「いらっしゃいませ」。海外からの乗客の目もくぎ付けです。

そろそろ船内のお食事に飽きてきたこともあり、金沢では、お蕎麦や回転寿司など、和食を楽しみました。

ひがし茶屋から少し山に登ったところにある蕎麦屋さん「卯喬」の近くのお寺で、素晴らしい石仏群を発見。全国の石仏の写真を撮ることをライフワークにしているわたしは、思わず時間を忘れ、しばし撮影に没頭。

名残の桜も楽しめました。

お見送りイベントは、高校生による吹奏楽と、地元のチームによるよさこいの豪華2本立てでした。

出航後も、こんなところから見送ってくれる人がたくさん。「ありがとう、また来てね」という声が聞こえてきます。バルコニーから手を振っているだけでこんなに喜んでいただけるなんて、一生一度のことかも知れません。

 

ディナーの前のくつろぎタイム。

今日は美しい女性3人によるクラシック音楽の演奏でした。

 

4つ目の寄港地は鳥取県の境港。あいにくの雨。こちらは水木しげる先生の出身地として有名なのに、なぜか鬼太郎のお迎えが見当たらない!悪天候のせいか、それとも、先に別の船が着岸していてそちらに出動してしまったのでしょうか。

クィーン・エリザベス号の向こうに停泊しているのは、イタリア船のネオコスタ・ロマンチカ号。近年の日本では、地方の港に外国船籍の大型客船が複数停泊している光景も珍しくなくなりました。

まずは、鬼太郎ロードをぶらぶら散歩してみます。あちこちでおなじみのキャラクター発見。でも、動く鬼太郎やネズミ男には結局出会えませんでした。

午後は、ずっと行きたかった足立美術館まで遠出しました。

寄港地から少し離れた場所に行く時は、個人でタクシーをチャーターするか、船主催のオプショナルツアーに参加するのがよいです。自分で電車に乗って行くという方法もありますが、地方だと本数も少なく、うっかり船に乗り遅れたら大変。その点、船のオプショナルツアーだと、万が一渋滞などで乗船時間に遅れることがあっても、船は出航しないで待ってくれます。

このクルーズではフォーマルデーが3回あり、その都度、テーマがあります。1回目のフォーマルデーはブラック&ホワイト、2回目のこの夜は仮面舞踏会でした。夕方5時以降、正装していない人は、レストランやボールルームのあるエリアに立ち入ってはいけないという決まりがあり、添乗員さんなど仕事で乗っている人たちもロングドレス姿です。しかし、中には、体調が悪いなどの理由で正装をしたくない人もいるでしょうから、ブュッフェレストランだけは、どんな服装でも大丈夫ということになっています。

仮面は、持参してもよいですが、船内で購入もできます。

ボールルームでは、毎晩、ダンスパーティが開かれていますが、仮面舞踏会の日は一段と華やぎます。欧米の方々にとって社交ダンスはたしなみのひとつでしょうが、日本人のカップルも、すごくきれいに踊っておられて驚きました。クィーンエリザベスには、ダンスのお相手をしてくれるスタッフも乗り込んでいて、心得がなくても、少しは参加することができますが、船旅を存分に楽しむには、ちゃんと踊れた方が絶対にいいです。事前に少しだけ練習してから乗ってもいいのかも。

 

5つ目の寄港地は釜山。何と韓国です。

日本沿岸を回るクルーズ船は、このように、ちょっとだけ近場の海外に立寄るコースが多いですね。出国審査は、前日、境港港を出港する前に、船内に係員が乗り込んで行われました。

釜山(プサン)では、以前からお気に入りの龍宮寺(ヨングンサ)という楽しいお寺を訪ねました。金ぴかの布袋様の像がいかにも外国の寺という感じです。

甘川洞文化村(カムチョンドンムナマウル)は、昨今人気のフォトジェニックな観光地。「韓国のマチュピチュ」と呼ばれています。

チヂミやプルコギなど、韓国料理のランチも美味しかった。

釜山でも、踊り、音楽が盛りだくさんの送迎イベントがありました。

 

6つ目の寄港地は熊本県の八代(やつしろ)。こちらのお迎えは、もちろんくまモンに決まっています。

姿が見えた途端に、乗客たちが船から駆け下り、追いかけまわすほどの大人気ぶり。でも、その前にしなくてはいけないことが。わたしたちは海外から帰ってきたので、ここの港で入国審査を受けないと、港の外にでは出られません。

熊本市まで遠出しようかとも思ったのですが、こんなことでもなければ来られない八代の街をちょっと探訪してみることに。古い歴史を持つよい街でした。

こちらは八代の城主だった松井家が作った松浜軒(しょうひんけん)庭園です。奥深い魅力のある静かな庭園でした。

八代は魚も美味しいところです。宝石のように美しい具を散りばめた海鮮丼をいただきました。

お見送りも、くまモンがやってきて、船が見えなくなるまでずっと手を振ってくれました。

船旅も終盤です。こんなにみんなで見送ってくれると、何だかちょっと寂しくなりますね。

小島が連なる八代海の夕景。自分の部屋からこんなに素敵な景色を見ることができるのも、船旅の魅力のひとつです。

翌日は航海日。ゆっくり船上生活を楽しむはずが、朝から船が大揺れ。ちょっとだけ気分が悪くなって、午前中は部屋で臥せってしまったのでした。船旅に行ってみたいけれど、船酔いが心配という人も多いでしょう。大きな船なので、小型船よりはまだ安定していますが、それでもやはり、天候によっては相当揺れる日もあるようです。酔い止めの薬を持っていき、「あれ?大丈夫かな」と思ったら、予防の意味でも、すぐ飲むとよいと思います。

やがて揺れは収まり、翌日早朝に横浜港に着岸しました。ベイブリッジ越しに富士山がきれいに見えます。下船の時が近づいています。

クィーンエリザベス号は、この後ゴールデンウィーク中に、もう一度日本を一周。それから太平洋を渡ってアラスカに向かいます。食事中に何度かお話しをした日本人のご夫婦は、いったん下船してゴールデンウィークを東京のホテルで過ごし、再度乗船してアラスカまで行くのだとか。なんと優雅な時間の過ごし方でしょう。しかし、太平洋を渡るということは、航海だけの日が数日続くということ。まだまだクルーズ初心者のわたしは、その数日間を上手に過ごす自信がないので、そこまで長いクルーズはちょっと考えちゃうな。修行は続きますね。

 

 

吉田さらさ

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