太陽の塔と言えば、岡本太郎とすぐに浮かぶ方は多いと思いますが、このブログを読んでいる方ならもう一つ、大阪万博というキーワードも浮かぶのではないでしょうか?
1970年に大阪府吹田市で開催された日本万国博覧会、通称「大阪万博」は日本だけでなくアジア初の国際的な博覧会でした。
1970年は、ビートルズが解散したり、アポロ13号が打ち上げられた年。アポロ12号が持ち帰った「月の石」もこの万博で展示され、長蛇の列になったといいます。
この万博のテーマ館の一部として作られたのが太陽の塔です。
ん?テーマ館?ということはもしかしてこれって建物なの?
そう思った方、正解です。
実は太陽の塔は単なるモニュメントではなく、れっきとした展示空間。中に人が入れる構造になっているのです。
と、こうやって偉そうに書いてますが、実は私もそのことは全く知りませんでした。
48年ぶりのリニューアルおよび公開のニュース、さらには昔の展示も復活すると知ってから、一度行ってみたい!とすぐに思ったものの、タイミングや人気の高さに涙を飲んだこと数回。
この度やっと念願かなって潜入してきました!
題して、into the Sun!
万博記念公園は大阪モノレールの「万博記念公園駅」を降りてすぐ。
太陽の塔は線路を挟んだ反対側の自然文化園内にあります。
いよいよ!
なお、このチケットで太陽の塔の中に入れるわけではありませんのでご注意ください。
どーん!
記憶にあるより大きいです。いつもは遠目でしか見ないからかしら?
私もマネしてみました。
太陽の塔は、三つの顔を持っているそうです。
コンセプトは「過去・現在・未来」
てっぺんについている金色の顔が「未来」、真ん中あたりにある石造りの顔が「現在」。
この二つの顔はおなじみですが、実は後ろ側にも黒い太陽が描かれていて、これが「過去」なのだそうです。
これが「過去」の、黒い太陽です。
外見について知識を深めたら、さっそく潜入しに行きましょう!
入り口は黒い太陽の下にあります。(つまり塔の後ろ側です。)
太陽の塔の入り口。
こうやって見ると確かにビルの入り口と変わりません。それだけ大きいのですね。
入場するとまずは「地底の太陽ゾーン」に進みます。ここは、巨大なオブジェ「地底の太陽」が復元されていて(本物は万博終了後に行方不明となったそう)、ダイナミックな映像とともに楽しめるエリア。
周囲にさまざまな種族の仮面や神像が並べられていて、ちょっと古代の遺跡みたいな雰囲気です。ここで人数に分けられてメインゾーンへの入場の順番を待ちます。
通路の小窓から一番近い太陽の塔が見えます。
順番が来たら、いよいよメイン展示「生命の樹」のエリアへ。
中央に高さ約41メートルの「生命の樹」がそびえています。
その樹の幹や枝には大小さまざまな292体の生物の模型が取り付けられており、下からアメーバ、そして最後は人間になるまで、樹の周囲にある階段をぐるぐると上りながら、生物の進化を自分の目でたどっていく、という仕掛けなのです。
これが約50年前の展示なんて。
確かに近くで見れば作りなどは拙いとは思いますが、コンセプトも迫力もすごくて感動です。
展示自体は万博の時のものをそのまま使い、どうしても足りない部分だけ現代の模型を足しているのだそう。ゴリラなどは中の構造がむき出しのままになっていたので、説明してくださるスタッフの方にお聞きしたところ、時の流れを感じてほしいからあえてそのようにしている、ということでした。
なお、生命の樹ゾーンは1階部分以外は撮影禁止です。
この後の生物の進化はぜひご自身の目で確かめてみてくださいね。
いかがでしたか?
正直、ほぼアナログの時代に、よくこんな展示を作ったなという気がします。コンセプトも大きければ物理的なサイズも巨大。
今ならもっと簡単によりリアルで精巧な展示ができたでしょう。
けれども、だからこそあの時代の高揚感や本気の熱さを感じられるような気がしてなりません。
成長の一途をたどっていたあの時代の若き日本に、なつかしさのようなうらやましさのようなものをちょっぴり感じた一時でした。
広大な万博記念公園の中には、太陽の塔の他にも、国立民族学博物館に日本庭園、アスレチック施設、サッカー好きな方ならガンバ大阪の関連施設など楽しめる場所もたくさんあります。
太陽の塔の中だけでなく、塔の下で、自然豊かな一日をのんびり過ごしてみてはいかがですか。