情熱のスペイン一人旅 その5
マドリッドとトレド
いよいよスペインの旅、最終回。
ツアーバスは、アンダルシアから、首都マドリッドに向かいます。
最初の立ち寄りポイントはコンスエグラ。
ラ・マンチャの男、ドン・キホーテが巨人と間違えて戦ったとされる風車のある村です。風車はここだけでなく、この地方のあちこちにあるのですが、平原を見下ろす丘の上に11基の風車と城が並んでいて圧巻。
このバスに乗って、バルセロナからはるばるここまで来ました。スペイン国内では、マドリッドが終点。一緒に旅してきたツアーメイトたちとも、もうすぐお別れです。風がものすごく強くてみんな飛ばされそう。それは当たり前、風が強いから風車があるんですよね。
近くの村に、「ドン・キホーテ」の作者、セルバンテスが泊まったと言われる旅籠があり、現在もレストラン兼土産物屋として営業しています。
お店の2階が資料館になっていて、こんな面白いものを発見。石版リトグラフによる「侍ドン・キホーテ」ですって。外国人の方の作品のようですが、なかなかよくできてますね。
夕刻にマドリッド到着。
現地発着のバスツアー参加者たちは、ここで解散し、それぞれの次の目的地に向かいます。
わたしはマドリッドに二泊し、その後パリに移動する予定なので、その晩はホテルの近くのレストランで食事をしてゆっくり休息をとります。
ラ・シレーネ・ヴェルデというシーフードがおいしいお店。
魚介類のスープとイカ墨のパエリアを注文。パエリアは多くの店で二人前以上という指定があり、一人前で注文できる店は貴重です。
しかし、一人前とは言え、相当な量です。
翌日はぶらぶら街歩きからスタート。こちらは王宮。壮麗な建物です。
花が飾られた魅力的な街並みです。
こちらは王立劇場。オペラの公演が行われますが、今回は、残念ながら、まだシーズンが始まっていませんでした。次にマドリッドに来るときはぜひ見たいと思います。
さすがは美食の国、スペインの首都。おいしそうな食品を売る店が並んでおり、ショーウィンドーを眺めているだけでも楽しいです。こちらは、生ハムや各種ソーセージのお店。種類がものすごく多いです。
チーズの種類も負けていません。
魚介類の缶詰も多いね。これは日本への持ち帰りが楽なので、わたしもいくつか買ってみました。味付けが日本のものと少し違ってなかなか美味でした。
こんなかわいらしいお店も発見。シャッターも一体化して絵本みたいになってます。
市内には何か所か市場があります。こちらはそのひとつ、サン・ミゲル市場。観光客にも人気の、おしゃれなグルメスポットです。
いろいろなタパスや飲み物を売る店があり、真ん中にあるテーブルで食べることも可能。軽い食事なら、ここがお勧め。
見て!この種類の多さ。どれもこれもおいしそうで目移りしますね。
マグロ料理のお店もあります。地元の方によれば、マドリッドではお寿司屋さんも人気で、特にマグロが素晴らしいんだそうです。
そして、芸術の殿堂、プラド美術館へ。予約しておけばスムーズに入れますが、観光シーズンのピーク以外は、そこまで大混雑ということはなさそう。ゴヤ、ベラスケス、グレコなど、スペインで活躍した画家の作品や、ボッシュ、ブリューゲルなど、ヨーロッパの他の国の大傑作を堪能できます。
こちらはスペイン最高の画家のひとり、ゴヤの銅像。マドリッドには、ほかにも見に行きたい美術館がたくさんあるのですが、プラド美術館をゆっくり見ていたら時間切れになってしまいました。次は、もっとマドリッドに滞在したいです。
マドリッドに行ったら、ぜひ訪れておきたいのはトレド。それほど遠くないので、電車でも簡単に行けます。わたしはバスツアーを選択。それだとまず、川の対岸にある展望台からトレドの街の全貌を眺めることができます。
三方をタホ川に囲まれた丘の上にあるトレドの旧市街。ギリシア生まれの画家エル・グレコがここに住み、多くの傑作を残しました。ここから眺める光景は、そのグレコが描いたトレドの絵にそっくり。どんよりと雲が垂れ込めた空の下のトレドを描いたものですが、わたしが訪れた時は、ちょうどそんな天候でした。午前中は晴れていたのに、トレドに着いたとたんにこんな空になったのは、奇跡のよう。
丘の上に張り付くように街が広がっているため、路地が迷路のように張り巡らされています。
その真ん中にそびえる華麗なるカテドラルの内部。
奥の聖具室というところに、グレコ、ゴヤなどの宗教画が展示されていて、まるで美術館のよう。
サント・トメ教会では、門外不出のエル・グレコの傑作「オルガス伯の埋葬」を見ることができます。10代のころに、はじめて大原美術館でグレコの絵に出会って以来、いつかはトレドに行ってみたいと思っていました。何十年もたってやっと夢が叶った嬉しい日でした。
5回にわたってお届けしてきたスペイン一人旅はこれで終了。翌日はパリに向かいます。その旅の情報はいずれまた。
吉田さらさ
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