今年の九州地方の夏はぐずついたお天気続き。まるで梅雨が長引いているかのようでした。
昨夏と違い、日差しの強さに萎えることは殆どありませんでしたが、今年は秋の到来もちょっと早いよう。すでに秋の気配をあちらこちらで感じるようになりました。
涼しくなってくると、温かなお湯に浸かってノンビリ過ごす・・・そんな温泉への旅が恋しくなってきました。
昨年の今頃のことですが、夏の疲れを癒したくなり、黒川温泉を訪ねました。
この温泉は、温泉県として有名な大分県との県境近く、阿蘇郡南小国町にある、とても風情のある温泉街です。
熊本県には至るところに温泉が湧いており、週末に「日帰り温泉を楽しみ、帰り道に地元のお野菜を買って帰る」・・・なんていう過ごし方をしている方もいらっしゃるほど「温泉」が日常にあります。
そんな身近な「温泉」ですが、この黒川温泉はそんな日常から離れ、少しの間、現実を忘れてゆったり過ごすのにピッタリの場所。
熊本市内から車を走らせ、緑の生い茂る山の国道を走って行くと、目の前に急に広がる渓谷。そして立ち並ぶ温泉宿。まるで別世界です!
訪ねた頃は丁度、彼岸花など秋の花々が美しい時期。
この旅の宿泊先に選んだのは「旅館 こうの湯」さん。
それぞれが独立した離れになっている客室には専用の露天風呂があり、いつでも、何度でも、ゆったりとお湯を楽しめる・・・それを一番の楽しみに伺いました。
秋の風を感じ、緑や土の香りを嗅ぎながら、お風呂に浸かってひたすらノンビリ。これぞ「至福」です!
また、こうしてお部屋に籠ってノンビリするだけが、こちらの温泉の魅力ではありません。
黒川温泉の湯は、各宿毎に異なった泉質を持っていたり、一軒の中だけで複数の泉質をもつ宿などがあり様々なお湯を楽しめる事も魅力の一つ。各お宿の露天風呂巡りをなさりたい方たちの為に「入湯手形」 というものも販売されています。
ちなみに、宿泊した「こうの湯」さんはのお湯は弱アルカリ性単純泉。刺激が少なく、肌の古い角質を落とす作用がある「美肌の湯」!
また、旅館の浴衣のまま自由に温泉街を歩けるのも嬉しいところ。可愛らしい柄の浴衣のレンタルもあるそうです。
湯上りに浴衣姿で散策しながら涼む・・・なんて素敵ですよね。
お風呂やお散歩を楽しんだ後は、待望のお夕飯。地元・阿蘇の素材をふんだんに使った美味しいお料理の数々にお箸もお酒も進みます。食べきれないかも・・・と思いながらも、ついついお箸が進み、気が付けば全て美味しく頂きました。
満腹のままお部屋に戻り、お布団に倒れ込む・・・ これもまた「至福」です!
お散歩・・・といえば、温泉街を散歩中にこんなものを見つけました。「顔湯(かおゆ)」だそうです!
蒸気が噴き出していて、そこに顔を当てる・・・天然のスチーマーみたいなものでしょうか・・・?
翌朝もまた、滋味溢れる朝食を頂き、すっかりリフレッシュしました。
黒川温泉の周りには、小さな温泉郷が点在していたり、いくつも蕎麦屋さんがあり「そば街道」と呼ばれる場所などもあります。
また、マイナスイオンをたっぷり浴びながら涼むのにお勧めな「鍋ヶ滝」という滝があります。
一見の価値があると聞き、行ってみることにしました。
階段と山道をテクテクと下って行くと、そこには美しい水のカーテンが!いつまでもその場に佇んでいたくなるほど美しく、空気が気持ちがいい。
この滝の珍しさは、何と言っても、滝の裏側にも回り込むことが出来ること。
視点が変わるだけで、なんだかとても面白く、不思議な現象に感じてしまいます。
この「鍋ヶ滝」は、そのロケーションの澄んだ美しさから某CMのロケ地ともなったそうですよ。
短い時間でしたが、自然の力に癒されたこの旅。
九州には、まだまだ沢山の魅力的な温泉があります。この秋もどこかでのーんびり、したいものです。
黒川温泉観光旅館協同組合
http://www.kurokawaonsen.or.jp/
こうの湯