おうちで楽しむ、京の味と物
全国的に緊急自粛宣言が解除されましたが、都道府県をまたぐ移動はまだ自粛が求められていますね。
「京都旅にはまだしばらく行けない!」と、がっかりなさっている京都好きのみなさんに、おうちにいながら京都気分に浸れる、『おうちで楽しむ 京の味と物』をご紹介しています。インターネットや電話などで、全国どこからでも注文できる品々です。
第11回
上品な茶人好みの和菓子 「百万遍 かぎや政秋」
京都大学のそば百万遍交差点の南西にある和菓子店「百万遍 かぎや政秋」を初めて訪れたのは、今年の春のことでした。和菓子に詳しい京都に住む友人が「贈り物にするのに、喜ばれる品」と太鼓判を押すのが、ここの品。実は、何度も前を通りながら、一度も訪れたことがなかった私…友人に連れられ店内に入るなり、その落ち着いた雰囲気に心惹かれます。
そもそもこの店のルーツは、元禄9年(1696)に寺町二条に創業した「鎰屋延秋」。大正9年に分家し、東山安井で店を構え、現在の場所には、昭和5年に移転したそう。
店内の螺鈿の菓子入れ、また店の外の「益壽糖」の看板などが、その歴史を静かに物語ります。
さて、店内の菓子ケースを見てゆくと、気づくのは、多くの菓子のサイズが、小ぶりであること。しかし小さいながら、凛とした佇まい…なんとも品格を漂わせる姿です。
さて、まずご紹介したいのは、本家から継承した味で、つぶ餡を延ばし、丁寧に焼き上げた「ときわ木」(9個入 1,080円~ 賞味期限15日)、また粟羊羹をきな粉でまぶした「黄檗(おうばく)」(16枚入 464円~ 賞味期限6~9月は4日、10~5月は5日)。いずれも何代にもわたり、京都人の贔屓が絶えない銘菓です。
「この黄檗のパッケージ素敵でしょ!もちろん、すごく美味しいの~黒蜜掛けてもいいのよ」という友人。なるほど、ぜひ味わってみたくなる姿です。
また、店の前の看板に記された「益壽糖(えきじゅとう)」(9個入 1,150円~ 賞味期限6~9月は4日、10~5月は6日)は、ニッキの香りが芳しいクルミ入りの求肥餅。ニッキ好きには、たまらない一品。
そして、地中海アーモンドに魅了された店主が考案した「野菊」(15個入 680円~ 賞味期限15日)は、アーモンドの風味豊かな野菊の形の落雁。口の中に穏やかな甘みが広がります。
京大の近くということから名づけられた「学び餅」(6個入 1,080円~ 賞味期限5日)は、こし餡を餅羊羹で包み、氷餅をまぶした優しい甘さ。「これ食べながら勉強すると、はかどりそうね~」と思わず…。
どの菓子も、ひと口で味わえる大きさがなんとも魅力的。お茶会などで、女性たちに好まれるのもわかります。和菓子でありながらコーヒーや紅茶との相性もよく、「ちょっと食べたい」と思う時に、気軽に楽しめるのがなんとも嬉しいこと。
「ご高齢の方への贈り物にも、この大きさのお菓子はとても喜ばれるのよ~」と、何度も贈答品として使っているという友人。この日も詰め合わせを購入しました。
本当に上品な姿の和菓子…茶人ならずとも、心惹かれてしまいます。
お取り寄せも可能で、電話やファックス メールで注文できます。注文後は、確認の連絡があり、支払いや配送方法などを相談してください。
百万遍 かぎや政秋
京都市左京区吉田泉殿町1番地、百万遍角
電話075-761-5311 FAX075-761-5313
9:00~18:00(土曜~17:00)
定休日:日曜
小原誉子のブログ「ネコのミモロのJAPAN TRAVEL」