こんにちは。寺社部長の𠮷田さらさです。今回は、わたしの好きな古い街のひとつ、小江戸川越で見つけた隠れ家のようなスポットをご紹介します。
その名は「丹徳庭園」。普段わたしがよく訪れる蔵の街通り周辺からは少し離れた川越市駅の近くにあります。庭園という名称から大名庭園のようなものを想像していましたが、意外にも、昔の文化人のお家のような門構え。明治時代にタイムスリップしたかのような雰囲気が漂っています。
明治2年(1869年)、川越市六軒町に「丹徳」という屋号の材木商が創業しました。丹徳庭園は、その初代の鈴木徳次郎さんという方が建てられたはなれと、200坪の枯山水庭園を一般公開したもので、近年まで、その子孫のご家族が暮らしておられました。
現在もご家族で運営され、女将は鈴木家の奥様の和子さんです。
こちらでは、建物とお庭を鑑賞するだけでなく、事前予約により、ランチ、和三盆づくり、抹茶体験などができます。貸し切りも可能で、同窓会や法事、結婚式などにも利用できるそうです。
お部屋に通されると、まず、何組ものおひなさまが目を引きました。訪れたのは3月下旬でしたが、川越では、旧暦のお節句(4月)までは、おひなさまを飾る風習があるのだとか。
明治以来、歴代のお嬢様のために揃えられた時代物のおひなさまたちです。
事前にランチを予約していたので、お庭を眺められる位置にしつらえられたテーブルに、お食事が運ばれてきました。和食をお願いしていたのですが、素材や味付けが普通の和食とはちょっと違う、和洋折衷風の料理も盛り込まれたお弁当でした。
お料理は、他にイタリアンやお寿司、うなぎなども選択できます。こちらで作られるのではなく、奥様お気に入りの近所のお店から運ばれて来ます。今回の和食ランチは「すずのや」というお店から。奥様によれば、「おでんがメインのお店ですが、川越産の旬の野菜を使った創作料理を準備してくれるんですよ」とのこと。
お彼岸に近いので、食後には、手作りのぼたもちも出していただきました。子供のころ、おばあちゃんの家に遊びに行った時の思い出がよみがえりました。むろん、こんなに立派なおうちではなかったけれど、ぼたもちのお味は、うちのおばあちゃんが作ったものと似ていました。
食事のあと、奥様が建物内とお庭を案内してくださいました。お部屋の一隅には、こちらで結婚式を挙げる方のための豪華な打掛が飾られています。
建物自体は昔のままですが、水回りなどはリニューアルされて快適そうです。奥にはなんと露天風呂があります。実はこちら、1日1組限定(5名まで)で宿泊もできるのです。
お二階の部屋から眺めるお庭。こんなところに泊まって、朝、夕にお庭を眺めるなんて、なんて贅沢なことでしょう。
お庭の水琴窟。ゆかしい音を奏でます。
お庭の一隅には、こんな東屋もあります。
お庭の真ん中には寿徳明神という名前のお稲荷さんが。手前の岩は、富士山から運んできた溶岩です。お参りすると、願いが叶うパワースポット。
お訪ねした日はボケの花が満開。「あの木はおじいさまが、あちらの木はひいおじいさまが植えたんですよ」という奥様のご説明を聞いていると、親類宅を訪問しているような気持ちになります。文化財クラスの立派な建物でも、つい最近までご家族で暮らしておられたお家のためか、親密感が漂っていて、実に居心地がよいです。仲良したちと少人数の女子会。そんな使い方がよさそうですね。
ランチは1980円から(要予約)。宿泊は、20000円(平日1名、食事なし)から。
その他詳細は、ホームページをごらんください。
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