六月大歌舞伎を楽しんだ後は、「すきやばし次郎」や「鮨かねさか」、フレンチなら「ロオジエ」を選ぶことが多かったですが、最近では銀座といえば焼肉を楽しむ場所となりつつある今日この頃。
というのも、オリジナルの器とインテリアで楽しむ「究極の食と空間のミュージアム」をコンセプトにした「日本焼肉 はせ川 別亭 銀座店」に出会えたからです。
店内に入り、まず目を引くのは美しい土壁。重要文化財の修復などを行い国内外から高い評価を受ける左官職人久住有生氏が手がけたもの。
カウンターの天板や個室のテーブルの天板も久住氏によるもの。器は陶芸家 内田剛一氏による作品が並ぶ。レストランというより、ミュージアムに伺ったときのような感覚に。
圧巻のワインセラーには垂涎の銘柄が並んでいました。
マスクケースが選べるのも嬉しい。
メニューは旬の食材をベストなタイミングで楽しめるコースのみで、6月は水無月のコースでした。
小吸物は「山形の茶豆すり流し」からスタート。食物繊維たっぷりでこれからお肉を食べる前のベジファーストでもあるんだそう。食べる人にとことん寄り添うスタンスが見え隠れし、女性には嬉しい限り。
先附は「純但馬牛の贅沢肉寿司」。
器は何と越前の合鹿椀で角偉三郎氏の漆。飾っておきたいくらいの器が惜しみなく使われていて、心も豊かになっていくよう。北海道余市産の蝦夷バフンウニとラトビア産のフレッシュキャビア、金箔を華やかな一品にうっとり。
八寸は活天然稚鮎天麩羅。
夏の川魚の代表を目の前で調理して頂きます。
涼を感じられる一品。
食の歳時記を存分に楽しめます。
お造りを食した後は楽しみにしていた焼肉です。兵庫川岸牧場で36ヶ月肥育された神戸牛シャトーブリアン厚切り。会席料理店などで料理長を歴任し日本料理の匠である山田料理長が肉に刃を入れる角度を微調整し、丁寧に焼く。何とも贅沢なひと時。
希少なタン「神のタン」は厚切りと薄切りで食べ比べました。
薄切りを特製味噌ダレで頂くのが滋味深く、虜に。
次は「神のハラミ」を日向夏の香りのソースで頂きました。
柔らかい赤身ならではの旨みと奥深さが味わえました。
芝浦市場「神谷」の職人が厳選した神のタンと神のハラミは厳選された職人しか取り扱えないのだそうで山田料理長の腕が鳴るひと品です。
川岸牧場の神戸牛フィレ肉は粉唐墨をたっぷりかけていただきます。
思わず日本酒が進みます。
続いてゴージャスな松坂サーロイン。
三重の長太屋牧場43ヶ月肥育された特産松坂サーロイン。
炭火で仕上げてくださいました。スモークが何とも香ばしい。
食材の香りや食感を味わう幸せ。
何より、日本料理を極めた職人が目の前で完全調理する焼肉……なんとも贅沢です。
〆は、雲井窯 九代目 中川一辺陶作の土鍋でいただく「つりきんめの土鍋ご飯」もお出汁がしっかりしていて感動。
氷菓子の天使音メロンまで品数が多いのですが焼肉を食べた後とは思えないほどカラダが軽くなり元気になっている気がしました。
日本料理ならではの食の歳時記と懐石のような焼肉を和のミュージアム空間で堪能でき、心も体も満たされました。口福を満たすとはこのことかもしれません。
7月は「七夕」がテーマだそうなので、また伺いたいと思います。