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大自然に宿る神仏と出会う ネパールの旅《後編》

吉田さらさ

吉田さらさ

寺と神社の旅研究家。

女性誌の編集者を経て、寺社専門の文筆業を始める。各種講座の講師、寺社旅の案内人なども務めている。著書に「京都仏像を巡る旅」、「お江戸寺町散歩」(いずれも集英社be文庫)、「奈良、寺あそび 仏像ばなし」(岳陽舎)、「近江若狭の仏像」(JTBパブリッシング)など。

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こんにちは、寺社部長の吉田さらさです。

 

前回に引き続き、神仏好きの憧れの地ネパールを巡る旅の《後編》です。

《前編》では、首都カトマンズからポカラに移動。《後編》は、そのポカラの魅力をお伝えするところから始めます。

 

ポカラはヒマラヤ山脈の真ん中あたり、アンナプルナやダウラギリ、マナスルなどの8000m級の山々をきれいに望むことができるリゾート地です。

ホテルやレストランがフェワ湖という湖のほとりに並んでおり、そちらに滞在する人が多いのですが、今回は、ポカラ中心部からがたがた道を30分ほどバスに揺られていったところにある「マウンテングローリーフォレストリゾート」というホテルに泊まりました。真新しいホテルなので水回りの設備は最新、アメニティもそろっており、お部屋は完璧。しかも、ベランダからアンナプルナをはじめとするヒマラヤの山々が一望。これはすごい!

こちらは朝日に照らされてピンクに染まるアンナプルナ山系のパノラマ。

息を飲む美しさです。

 

こちらは夕日に染まる山々。左端のとがった山はマナスル。1956年、日本チームが世界初登頂に成功しました。

近年ではタレントのイモトアヤコさんが登頂するなど、日本人にはなじみ深い山です。

 

こちらはポカラから車で一時間ほど行ったところにあるベグナス湖。

湖面にアンナプルナが美しく映っています。

ここでもボートでショートトリップを楽しみました。

ポカラでのんびり過ごした後は、飛行機でカトマンズに戻り、カトマンズと並ぶ古都の世界遺産バクタプルへ。

かつてはカトマンズ盆地一帯の都だったこともあるためか、街並みに風格があります。

 

ニャタポラ寺院。高さ30mの五層の塔になっています。

カトマンズ盆地にある寺院の中ではもっとも高いと言われます。

 

お泊りはドゥリケルというところにある「ヒマラヤ・ドリシヤ・リゾート」。

こちらのホテルはやや古く、設備はポカラのホテルには劣るものの、眺めはまた素晴らしい。お部屋の前には180度以上のヒマラヤのパノラマが広がります。

 

山が四層になっているのがわかりますか? 一番奥の白い山並みがヒマラヤ山脈です。

天空の夜明け。雲海のかなたに浮かぶヒマラヤの山々。

 

ドゥリケルには小さな古い町もあり、散策を楽しめます。

ネパールでは、どこに行っても、このような神仏アートに出会うことができます。

ヒンズー教の神、仏教の仏が区別なく並ぶのがネパールらしい。

 

チベット仏教の聖地で僧侶たちが修行をする僧院があるナモ・ブッダ。

今回の旅で一番印象深かったのがこちらです。

わたしはホテルからタクシーで行ったのですが、トレッキングで立ち寄る人もいるようです。これまで訪ねた寺院と違って喧噪はなく、静けさに包まれた別天地。これぞ極楽浄土かと思うようなひとときを過ごせました。

 

こちらは観音様を祀るお堂です。内部は撮影禁止ですが、黄金の仏像が祀られ、極彩色のきらびやかな装飾が施されています。観音様の前にしばらく座っていたら、パワーをいただけた気がしました。

チベット仏教では髑髏も重要なモティーフのひとつになっているようです。

最終日は、パタンという古都を歩きました。こちらもカトマンズ盆地に三つあった王国の首都として栄えた街で、旧王宮があるダルバール広場があります。

こちらは広場の一角にあるクリシュナ寺院。広場は市民たちの憩いの場にもなっているようです。

 

みごとな石の細工。ネパールの寺院では、木彫や金属の彫刻にも驚かされます。

 

幼い少年僧。まだまだ遊びたい盛りのようです。

 

人なつこく元気な子供たち。

左側のおじいさんはこの前101歳の誕生日を迎え、町中の人々が集まって祝いました。長寿の方は神と同じで、お会いするだけでご利益があるとのこと。

 

ここからは旅で食べたものをご紹介します。

まずこちらは典型的ネパール定食「ダルバート・タルカリ」です。ダルは豆のスープ、バートはごはん、タルカリはおかず。指でまぜて食べるのが正式ですが、外国人はスプーンやフォークを使っても大丈夫。今回の旅では、何度もこのタイプの食事をしました。

 

写真は、真ん中がごはん、その上にチャパティ(薄焼きのクレープみたいなもの)とパパド(揚げたおせんべいのようなもの)ものっています。日本のカレー屋さんによくあるナンは見かけませんでした。ごはんの上から時計回りに、青菜、細く切ったポテトを揚げたもの、生野菜、漬物、野菜のカレー、魚のカレー、豆のスープです。カレーはチキンの場合が多いのですが、この店はたまたま湖のほとりだったので魚カレーです。

 

ネパールはチベットとのつながりが深く、チベット料理を食べる機会も多いです。

こちらはチベット風餃子のモモ。右は中身のない蒸しパンのようなもので、左はミンチなどの中身が入っています。カレー風味のソースでいただきます。とても美味しい。

 

チベット風鍋料理、ギャゴク。野菜、鶏肉、豆腐などをあっさり味で煮込んだ鍋です。

ごはんや焼きそばも出てきて、なぜか一緒の器にもっていただきます。試しに別々に食べてみたが、やはり一緒に食べた方が美味しいとわかりました。

 

たまには和食をということで、カトマンズで一番と言われる日本そばの店「ヒマラヤ蕎麦処」へ。そば粉はネパール産で、味はパーフェクト。天ぷら、そばがき、こんにゃくもついていました。

 

こちらは「バーバー・マハル・ビラズ」という昔の宰相の館を使った施設内のレストラン「ロイヤル・ターリ」。

たいへんなお金持ちの一族だったようで、世にも素晴らしい建物内にホテルや高級ブティックなどもあります。

 

前菜はネパール餃子モモ、ジャガイモのスパイシーマリネ、レンズ豆をペースト状に練ってドーナツ型にして揚げたもの。どれも美味しくいただきました。

メインコースはおなじみのネパール定食ですが、器がすごい! 銀の打ち出しでできた超高級品ですよ。さすが大金持ちの館ですね。

こちらのタルカリ類は味が上品かつマイルドで、日本のネパール料理屋さんで食べるのと同じ感じだったので、わたしはこちらが一番好きでした。しかし地元のガイドさんに言わせると、「ちょっと辛さが物足りないねえ」とのことでした。

 

ネパールは、日本と根っこが似た文化を持つ国なので、異国的ではあっても、どこかなじめる部分があり、わたしはとても気に入りました。またいつか、もっとディープに旅してみたいですね。

 

 

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