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大自然に宿る神仏と出会う ネパールの旅《前編》

吉田さらさ

吉田さらさ

寺と神社の旅研究家。

女性誌の編集者を経て、寺社専門の文筆業を始める。各種講座の講師、寺社旅の案内人なども務めている。著書に「京都仏像を巡る旅」、「お江戸寺町散歩」(いずれも集英社be文庫)、「奈良、寺あそび 仏像ばなし」(岳陽舎)、「近江若狭の仏像」(JTBパブリッシング)など。

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こんにちは、寺社部長の吉田さらさです。

 

今月は、昨年12月に行ったネパールの旅レポートをお届けします。

神仏好きのわたしにとって、ネパールは憧れの聖地のひとつ。お釈迦様が生まれた地、ルンビニもあるし、チベット仏教やヒンズー教の寺院もたくさんあります。世界遺産に指定された歴史的な街もいくつもあり、興味津々で出かけました。

 

ネパールの旅にはさまざまな要素がありますが、大きく分けて2種類。

ヒマラヤ方面にトレッキングに行くか、もしくは世界遺産などの観光をメインにするか。今回のわたしの旅は後者でしたが、それでもヒマラヤの山々の風景も十分に楽しむことができました。その方法の一つは、マウンテンフライトと呼ばれる遊覧飛行。これだったら飛行機に乗るだけでエベレストを眺めることができます。

 

カトマンズの空港からブッダエアというありがたい名前の飛行機に乗って、地球の最高地点を見に行きましょう。

マウンテンフライトは、その日の天候に大きく左右されます。悪天候ならむろん飛びません。また、地上は晴れていても8000mの上空は雲がかかっていることも。まだ暗いうちから空港に行き明け方に出かけますが、その日に飛行機が飛ぶかどうかは神のみぞ知る。何回もトライしてやっと飛べたというようなこともあるので、どうしてもエベレストを見たい場合は、日程に余裕が必要です。

しかし今回わたしはラッキーにも最初のトライで飛行機が飛んでくれました。

 

天候にもよりますが、往復1時間程度のフライトです。

おお! 往路でエベレストがきれいに見えました。

あまりの神々しい姿に、「これを見たら、もうこの世で思い残すことはない」と思ったほどです。

機内で配られたイラストマップを見ても、確かにこれがエベレスト(ネパール語でサガルマータ、8848・8m)と確認できました。

 

帰着後、「あなたは飛行機からエベレストを目撃しました」という証明書をいただきました。名前はネパール語で書いてもらいました。

 

今回の旅の最大の目的だったエベレストを見ることが早々に実現し、その日の午後から精力的に街歩きをしました。

 

 

まずは、カトマンズの世界遺産から見て回ります。

雪山の写真をよく見かけるためネパールは寒いというイメージがありますが、それは登山やトレッキングで行く標高の高い地域の話です。カトマンズは標高1350mの盆地にありますが、冬に当たる12月でも、朝晩は多少冷えるものの昼間の気温は最高20度程度にもなります。また空気も薄くなくて高山病の心配もなく、快適に観光ができます。

 

まずは、市の中心にして最大の観光地、世界遺産ダルバール広場へ。

「ダルバール」とは宮廷という意味で、13世紀にマッラ王朝が誕生して以来その中心として栄えてきた場所です。マッラ王朝は、カトマンズ以外にもパタンという街やバクタプルという街でそれぞれに独立した都を築いていたので、パタンにもバクタプルにもダルバールと呼ばれる地域があります。

ネパールでは2015年に大きな地震があり、歴史的建造物の多くが倒壊しました。

現在は再建や修復が進んでおり、まだあちこちに工事中の場所も見られますが、かなり整ってきている印象を受けます。

 

このエリアでは、あちこちに寺院や祠があり、たくさんの神々が祀られています。

こちらはカーラ・バイラヴ。ヒンズー教の中心的な神様であるシヴァ神の化身です。恐怖の神様で、この方の前で嘘をつくと死んでしまうと伝わっています。

街のあちこちに行列がありますが、これはお参りのために並ぶ人々。

ネパールでは地域や民族によって宗教が違いますが、基本はヒンズー教と仏教。この二つの宗教が複雑に混在し、人々の暮らしの中に深く根付いています。地元の方のお話によれば、お参りやお祭りのない生活など考えられないとのこと。

 

こちらはスワヤンブナート。街の中心部から少し離れた丘の上にある仏教寺院です。

ストゥーパと呼ばれる仏塔がいくつも建っています。

伝説によれば、こちらがヒマラヤ最古の寺院で、世界遺産に指定されています。

 

こちらは丘の頂上に建つ大きなストゥーパです。

塔の中ほどに「ブッダアイ」と呼ばれる目が描かれています。全知全能の仏陀の5番目の目であり、知恵の目とも言われます。どこにいても仏陀に見守られているという意味です。

 

これはマニ車。

お経が内蔵されており、右回りに回すと、回した回数だけお経を詠んだことになって功徳を積めます。

頂上からはカトマンズの街を見渡すことができます。

 

こちらはカトマンズから6キロほど離れたところにあるボダナートという聖地です。

古くからチベット仏教の主要な巡礼地でした。高さ36m、ネパール最大のストゥーパがあり、世界遺産の一部となっています。

ストゥーパを時計回りに回るのがお参りの作法です。大勢の人々が早足で回っています。

周辺には、ネパールの仏画タンカを売る店などがぎっしり並んでおり、とても魅惑的なエリアとなっています。

 

こちらは、ゴングやシンギングボールを売る店です。

シンギングボールはふちをこすって振動させ、不思議な音を奏でる楽器のようなものです。その音には癒し効果があるとされ、瞑想などにも使われます。

 

続いてポカラという街にやってきました。カトマンズからおよそ200キロ。アンナプルナなどヒマラヤの美しい山々を展望するリゾート地です。山には近いが標高は800mほど。カトマンズよりもさらに温暖で、バナナやパパイヤなど亜熱帯性の植物も多くみられます。

 

ポカラの中心地は、フェワ湖という湖のほとりのリゾートタウン。ホテルやレストラン、ショップなどはそのエリアに集中しています。

まずはこの湖で遊覧ボートに乗ってみました。この日は天気が今一つですが、手前の山の向こうにうっすらと雪をかぶったアンナプルナが見えています。

 

いかだで行くクラシックホテル、フィッシュテイル・ロッジも面白いです。

こちらは皇太子時代の天皇陛下、チャールズ皇太子、カーターアメリカ合衆国大統領などの世界各国からのセレブがお泊りになった名門ホテル。こじんまりしていますが、お花に囲まれたロッジが居心地よさそうです。

 

国際山岳博物館も見どころのひとつです。

これは展示物のひとつ、イエティ人形、つまり伝説の雪男の模型です。

足跡の目撃情報なども展示されていますが、果たして本当に存在するのでしょうか。

 

こちらは歴史上はじめてエベレスト及び七大陸最高峰の登頂に成功した日本人女性、田部井順子さんのコーナー。今のものとはだいぶ機能が違いそうなウェアや道具で数々の偉業を成し遂げられたのですね。

 

※ネパールの旅レポートは《後編》に続きます。

 

 

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