こんにちは、寺社部長の吉田さらさです。
今回は国立科学博物館で開催中(2024年11月2日〔土〕~2025年2月24日〔月・休〕)の特別展「鳥~ゲノム解析が解き明かす新しい鳥類の系統~」のご紹介です。
詳しいわけではありませんが、わたしは鳥が好きです。近所の公園で珍しい鳥を見つければ心が躍るし、道を歩いていて街路樹からかわいいさえずりが聞こえて来ると嬉しいし、どこかに向かって飛んで行く鳥の大群を見ればついて行きたくなります。都会で暮らしていても身近に触れ合うことができる貴重な野生動物についてもっと知っておきたくて、この展覧会に行ってみました。
近年の展覧会では、音声ナビゲーターによる解説も重要な要素となります。今回は、芸能界きっての鳥好きとして知られるレイザーラモンRGさんと高柳明音さんのかけ合いで、わかりやすく楽しい解説が展開されます。
お笑い芸人のレイザーラモンRGさん(右)。多趣味な方で、バードウォッチングも楽しまれています。日本野鳥の会の会員でもあり、今はいているブーツは日本野鳥の会オリジナルとか。女優の高柳明音(左)さんも、趣味のカメラで撮影をするほどの鳥好き。今日は鳥の姿がプリントされたTシャツを着ておられます。
2人そろって、「この展覧会は一度では見きれないほど展示物が充実しており、いくら見ても見飽きることがない」と力説。
まずは、この鳥たちがお出迎えしてくれます。インドクジャク(キジ目キジ科)。
鳥界の女王様的なイメージの華麗な姿ですが、実はメスではなくオス。鳥の世界では、オスは美しくないとメスに選んでもらえないのです。写真右側の枝の上にいる小さな小さな鳥は、かわいらしい姿で大人気の北海道の鳥、シマエナガちゃん。正しくはエナガ(亜種シマエナガ)。エナガは地域変異が多く、亜種が多いとのこと。
展示は、そもそも鳥とは何なのかというお話から始まります。よく知られているように、鳥類は恐竜から進化したものです。あの巨大な恐竜がどんなふうにして多種多様な鳥に進化していったのでしょう。ゲノム解析が進んだことにより、進化の過程と新しい鳥類の系統がわかってきました。
この展示は現生鳥類の骨格構造を示したものです。一部例外はありますが、鳥類の特徴は空を飛ぶこと。今わたしたちが見る鳥たちの骨格は飛ぶために洗練され、軽量化、重心の集中化、体軸の固定化という三つの特徴を持っています。
こちらは史上最大の空を飛ぶ鳥類、ペラゴルニス・サンデルシ(キジカモ類ペラゴルニス科)。アメリカのサウスカロライナ州の約2500万~2800万年前の地層から発見された化石鳥類を復元したもので、世界初の試みです。体長は1.8m。羽を広げると6~7mと推定されます。
現在、そんな巨大な鳥は存在しませんが、顔つきはカモメに似ている気がします。
わたしたちにとってもっとも身近な鳥類は、このカモ目。都会の公園の池などでも普通に見られますが、中には遠方から渡って来る鳥もいます。そのひとつ、ハクチョウもカモ目の仲間です。
人間にとって大切な鳥のひとつであるニワトリの多種多様な品種です。
たいへん種類が多いのですが、最近のゲノム解析により、セキショクヤケイという一種から進化して枝分かれしたことがわかりました。
ペリカン目の鳥たち。もともとは旧コウノトリ目に属していたトキ科やサギ科などが加わり、再編されたそうです。サギ科の鳥は田んぼなどでよく見かけますが、姿はペリカンの仲間には見えませんね。
動かない鳥として人気のハシビロコウも、近年ペリカン目の一員となったそうです。ゲノム解析により、見た目による分類とは違う、生物の進化の経緯が解き明かされるようになったとのこと。
ペンギンの仲間たち。飛ぶことができず、短い脚でよちよち陸上を歩くこのような鳥類が進化できたのは、陸生の肉食哺乳類がいない南極やニュージーランドという地域の特性によるものとのこと。
タカ目の鳥たち。コンドルやワシなど、勇猛そうな姿の鳥が多く、これぞ鳥類の王者。大自然の中を悠々と飛んでいるイメージですが、近年は都心の緑地でも増えているようです。
フクロウ目の鳥たち。首をくるりと回したり、急に小さくなったりと、面白くてかわいいフクロウ。
近年はペットとして飼う人もおり、フクロウカフェまでありますが、実は猛禽類です。
ミュージアムショップで人気のシマエナガちゃんのぬいぐるみ。鳥類は愛らしく変化に富んだ姿をしているためキャラクターグッズになりやすく、こちらのショップにもたくさんの商品があります。
特別展「鳥~ゲノム解析が解き明かす新しい鳥類の系統~」
国立科学博物館:2024年11月2日(土)~2025年2月24日(月・休)
名古屋市科学館:2025年3月15日(土)~6月15日(日)
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