奈良、真夏の夜の寺社めぐり
後編
こんにちは。寺社部長の吉田さらさです。
全国のお寺や神社のお出かけ情報をよりすぐってお届けしています。
前編に続き、真夏の夜の奈良のお楽しみをご紹介しましょう。
定番イベントその3
中元万燈籠
8月14日(金)・15日(土)
19:00~21:00 @春日大社
中元とは「お盆」のこと。これも、古くから行われている行事です。
境内の3000に及ぶ燈籠は、平安時代より今日に至るまで多くの人々より寄進されたもので、よく見ると、歴史的人物の名前が記された燈籠も見つかります。これらすべてに火が入れられ、建物を美しく照らし出します。とりわけ、石燈籠が整然と並ぶ二ノ鳥居から本社付近、釣燈籠が並ぶ朱塗の回廊などが見どころです。
直会殿にて、1日目は舞楽が、2日目は神楽が奉納されます。
●回廊内特別参拝は500円。また、3000円以上の初穂料で献燈もできます。
春日大社
http://www.kasugataisha.or.jp/
定番イベントその4
万灯供養会
8月15日(土)
19:00~22:00 @東大寺
大仏様に燈火をお供えして諸霊の供養を祈る万灯供養会。普段は大仏殿の中からしか拝見できない大仏様のお顔を中門から拝むことができます。大仏殿へと続く石畳に整然と並べられた約2500の灯龍が幻想的な雰囲気をかもし出し、厳かな気持ちにさせてくれます。離れた所から見ても、大仏様のお顔はすごく大きくて神々しい。
東大寺
そして、8月15日に行われる大イベントが、
奈良大文字送り火です。
奈良大文字送り火
8月15日(土)
18:50~20:30 @奈良公園内飛火野
大文字送り火と言えば京都を想像しますが、実は奈良にもあります。京都の送り火は、お盆に帰ってきたご先祖様の精霊を見送るための仏教的な行事ですが、奈良の大文字送り火は戦没者慰霊と世界平和を祈るための火の祭典です。8月15日はお盆であると同時に終戦記念日でもありますからね。
午後6時50分より奈良公園内の飛火野でおこなわれる慰霊祭は、奈良県出身の29243柱の英霊を供養するため、神式と仏式の儀式の両方が、同じ祭壇で続けて行なわれます。
仏式慰霊祭では市内の約30ヶ寺の僧侶が共に法要を営みます。まさに宗教も宗派も超え、平和を祈る祭典です。
行事の中心となる「大」の字は宇宙を意味するといわれており、「大」を形作る火床の数は、人間の煩悩と同じく108ツあります。「大」の大きさは、第一画目が109m,第二画目が164m,第三画目が128mあり、日本最大級を誇ります。 午後8時に点火され、点火とともに飛火野で吹奏楽の演奏会も行われます。
折しも今年は戦後70年の節目。夜空に赤く輝く供養の火を拝みながら、今一度、平和の大切さについて考えてみるのもよいですね。
奈良大文字送り火
http://narashikanko.or.jp/event/index.php?m=d&id=97
8月後半のイベント
お盆を過ぎると、さしもの奈良も、日が暮れれば少しは涼しくなってきます。夜風に吹かれながら、幽玄なお散歩をしてみませんか?
地蔵会万灯供養
8月23日(日)・24日(月)
17:00~21:00 @元興寺
元興寺は、現在は奈良町の一角にあるお寺ですが、昔は奈良町全体が元興寺の境内でした。当時は東大寺と肩を並べるほどの権威ある寺だったのですが、中世以降、地蔵菩薩を中心とした庶民信仰が盛んになりました。
境内には無数のお地蔵さんを始めとする石仏が並んでおり、
そのまわりで、願いごとを書きこんだ燈明皿に火が灯され、子供の無事な成長や家内安全などを祈願します。
燈明皿は誰でも奉納でき、当日の申し込みも可能です。
元興寺
平城京天平祭☆夏2015
8月28日(金)~31日(日)
17:30~21:00 @平城宮跡
夏の終わりの奈良を彩る素敵なイベント。
ライトアップされた大極殿の前に、光の行列が広がります。幻想的な光のアートも展開され、いつもと違った平城宮跡が楽しめます。
平城京天平祭
http://www.tenpyosai.jp/index.html
写真提供/奈良市観光協会
吉田さらさ
公式サイト
http://home.c01.itscom.net/sarasa/
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