伊豆のゴルフ場に行く途中、修善寺温泉街に立ち寄ってみました。
温泉街の中心を流れる桂川には5つの橋が架かり、周辺に名所旧跡が点在する情緒たっぷりの散策コースが整っています。修善寺はフランスのタイヤメーカー、ミシュランが発行する旅行ガイド「ミシュラン・グリーンガイド・ジャポン」で2つ星を獲得。 温泉マップにのっている「ミシュラン2つ星をめぐる温泉街散策コース」1時間半のところを少し省略して1時間で巡ってみました。
コースのスタートは修禅寺。平安初期に弘法大師が開基したと伝えられ、地名の由来となっているお寺です。地名は「善」ですがお寺は「禅」なんですね。
鎌倉時代には源頼朝の子である頼家がこの寺に幽閉され、生涯を終えたということでも有名だそうです。
境内にある宝物館に入館し(大人300円)、源頼家の顔を模したとされる木彫りの面や、お寺の裏山から出土された密教仏具の独鈷杵(とこしょ)などの展示品を見学しました。 古面は岡本綺堂が「修禅寺物語」を書くきっかけとなった面で、大ぶりですごい形相をしています。そして、独鈷杵は修善寺観光のキーとなるものです。修善寺温泉は伊豆最古と言われ、弘法大師・空海が金の独鈷杵で湯を湧き出させたという言い伝えがあるのです。
お寺の隣が日枝神社。修禅寺の鎮守様で小さな神社ですが、境内には大きな夫婦杉があってその間を通ると子宝に恵まれるとか…。
コースに従えば、次は北条政子が息子頼家の冥福を祈って建立した「指月殿」ですが、そこをパスして、桂橋を渡り竹林の小径へ。
遊歩道の左右に空に向かってまっすぐ伸びる青竹が立ち並び、ミシュラン2つ星も納得の風情です。この日はあいにくの雨でしたが、濡れた石畳がしっとりと和の雰囲気を盛り上げていました。
竹林の小径の奥の楓橋には、雨に濡れた七夕飾りがちょっとさみしそう…。 桂川には5つの橋があり、願いをかけながら渡ると恋が成就するという「恋の橋めぐりコース」(約1時間)のコースもあります。桂橋は「結ばれ橋」、楓橋は「寄り添い橋」なんて、5つの橋にはそれぞれロマンチックな名前がついています。
散策コースのしめくくりは、修善寺温泉のシンボル「独鈷の湯(とっこのゆ)」。 ここで、宝物館で見てきた独鈷が出てきます! 桂川で病気の父を洗う少年に心打たれた弘法大師は、独鈷で川の岩を打ち砕き霊湯を湧き出させ温泉療法を伝授した、それで「独鈷の湯」。伊豆最古の温泉です。
今は入浴禁止で、足湯となっています。せっかくなので、足をつけてみました。
由緒ある温泉地の落ち着いた雰囲気がなんとも心地よい修善寺でした。 次回くることがあったら、ゆったりと温泉に浸かり、竹林の小径をそぞろ歩いて疲れたら甘味処でひと休み、なんて過ごし方をしたいと思いました。
◆伊豆市観光協会 修善寺支部
http://www.shuzenji-kankou.com/