旅の楽しみのひとつに、出会いがあります。 《別府・鉄輪(かんなわ)温泉》を訪れた際のお話をいたします。
鉄輪温泉は、別府八湯のひとつ。 古くから湯治場として名高い温泉です。たくさんの旅館の中に、長期滞在者のための素泊まり用の貸間旅館もあるのが特徴です。 長期滞在のお客様は、自炊をなさいます。その際に利用するのが、温泉の蒸気を利用した「地獄釜」です。地獄釜で蒸すことを「地獄蒸し」と言います。
お野菜やお肉の旨みが増して、素材本来の味が楽しめる地獄蒸し。試してみたいけど…と諦めていたのですが、ご紹介でプチ体験が叶いました。その場でいただく時間がなかったため、食材には、お持ち帰りのできる卵を選びました。
蓋を開けると、モクモクの蒸気。温泉の香りを体いっぱいに感じます。
地獄釜に卵調理(?)をお願いしている間に、散策することにしました。 石畳の坂道は趣があり、いい感じです。
まずは、足岩盤浴のある《大谷公園》に行ってみました。中ほどに、本当にびっくりするくらいの湯けむり。足岩盤浴はちょっと温度が高めで、長居はできないけれど、無料で楽しめることに、またびっくりです。
公園より《いでゆ坂》を下っていくと、足蒸しと足湯を楽しめる場所がありました。ふらり、入ってみることにしました。 足蒸しを利用しようと思ったその時。可愛い子に声をかけられました。熊本から旅行に来ていたという、小学2年の女の子。既に蒸し湯の利用経験があるらしく、「こうするんだよ」と教えてくれました。
椅子に腰かけ、木蓋を開けます。膝下を入れ、蓋を閉めます。膝下サウナの様な感じです。たっぷりの蒸気で、じんわりとあったかくなってきます。蒸し湯を楽しんでいる間、ずっと可愛いお友達と女子トーク。学校で流行っていることを話してくれました。
写真は、その女の子が撮ってくれたもの。少しピントが合っていないのも、またご愛嬌です。 温泉効果で血行が良くなり、お肌もピッカピカな感じになりました。
足湯も一緒に楽しみました。 小川風の様相で、小石を踏みながら歩くと、足つぼ効果もあります。下流より源泉に向かって徐々にお湯の温度が高くなっています。お好みの温度の場所を見つけ、そこでゆったり過ごすと、心地よい時間が流れてゆきます。
この施設も無料で楽しめるなんて、鉄輪って凄い!
まだまだおしゃべりを楽しんでいたかったのですが、お別れの時間がやって来ました。「またどこかで会えるといいわね」と、女の子とさようならをしました。
更に坂を下り、路地に入ってみます。 鉄輪温泉を開いてくれたと謂れのある一遍上人。《一遍湯かけ上人様像》として、祀られている場所がありました。温泉を訪れることができたことへの感謝と、また訪れることができます様に…とお願いしました。叶います様に!
地獄釜に戻ると、卵ができていました。 帰京後、別府を思い出しながら美味しくいただきました。
《別府温泉》はエリアや訪れる場所によって、楽しみ方がたくさんあり、とても魅力的。お気に入りリストが、また増えました。 空気もお水も海鮮もお肉も…すべてが美味しく、幸せいっぱいの滞在でございました。
これはトリックアートです。
鉄輪旅館組合 公式サイト www.kannawaryokan.com/