数年前から、日本の伝統、特に着物をもっと身近なものにしたいという気持ちが少しずつ強くなって来ました。
学生時代、当時、茶道のお稽古に通っていたわたしは、必要に迫られて着付けを習い、自らで着物を選び着付けては行事に参加していたはず..。
なのに、今となってはすっかり過去の出来事。うっすらと記憶はあるものの、細かなところはすっかり忘れてしまい、再び着物は遠い存在となってしまいました。
が、ずっと遠い存在のままではもったいない。せっかく日本人に生まれたのですから、着物の美しさも十分に満喫したい。
そんな気持ちが再び湧きあがり、今は事あるごとに、実家から着物を取り寄せたり、小物を集めたり・・・それが楽しみのひとつであったりもしています。
そんなわたしですが、大阪での用事の合間に、昨夏オープンしたばかりという「ゑびす足袋」さんのアンテナショップへ行ってみました。
「ゑびす足袋」さんは、万延二年(1861年)創業の老舗の足袋メーカー。わたしも、わたしの母も・・・長いことお世話になっている足袋屋さんです。
大阪・玉造にあるアンテナショップは、「既製品でもいろんなタイプの足袋があることを知っていただきたい!普段から足袋で悩まれている方のお役に立ちたい!」との思いから、社長の白記澄子さんがオープンなさったのだそう。お写真をお願いしたのですが、照れ屋の白記さんに丁重にお断りを受けました(笑)
物腰の柔らかな、センスの良い、素敵な女性社長さんです。
それにしても足袋に色々なタイプがあるだなんて、知りませんでした・・・。せいぜい、ストレッチ足袋があることぐらい・・・。
店内には足袋を作るお道具も・・・。
こちらでは、足袋の素材、足の型(細型・中型・ゆったり型・甲高など)、コハゼの枚数を選び、そして自分の足のサイズを測りながら、自分の足にぴったりと添う、見た目も美しい足袋を選び出すことが出来ます。
また、足首回りなどの部分調整が必要な場合は、イージーオーダー。また、フルオーダーをすることも可能です。
足袋を履くといつも、かかと部分が緩く、いつの間にかコハゼが外れてしまう・・・ということも度々あったわたしの足。
早速足のサイズを測って頂きます。
そして、数ある型の中から足に合ったものを選び出して頂き、見本足袋を試着。
次は素材を選ぶために、履き比べ。
ストレッチの効いた伸縮タイプか、定番の白キャラコのものを左右で履いて比べています。
結果、白キャラコの中型「もも」という名の商品がわたしには合うことが分かりました。
また、足首にはもう少し余裕を持たせた方が履きやすいでしょう・・・というアドバイスを頂き、足首部分を調整して頂くイージーオーダーをお願いしました。
土踏まずとアキレス腱部分がぴったりとホールドされて、心地の良いフィット感があります。これが、足が締まって美しく見え、更に疲れにくい、ゑびすさんならではの型の特徴なのだそう。
真っ白でピーンと張った足袋姿って美しいですね!
ちなみに・・・ ショップでは色々面白い足袋が見られます。
レザー風生地のもの、カラフルで可愛らしいもの、そして暖かそうな見た目も可愛らしいふわもこ足袋。また、商品化はされていないようですが・・・カモフラージュ柄のカッコイイものもありました。
こちらへ伺うと、ひとくちに「足袋」と云っても、様々な用途、デザイン、型、そして老舗ならではのこだわりと技術があるのだということがよく分かります。
お洋服でも、靴から始まるお洋服選びがあるように、和装の世界でも、足袋から始まる和服選びがあっても良いのかもしれません。
色々な足袋を見せて頂くうちに、肩の力を抜き、もっと自由な気持ちで和服を楽しみたいという気持ちになりました。 そろそろ「小物集め」は卒業して、お着物に袖を通し始めたいな・・・と思わせて頂いた、楽しい経験となりました。
ゑびす足袋本舗