先日「氷の花火〜山口小夜子」の映画を見て来ました。シアター・イメージフォーラムにて、山口小夜子没後８年、彼女が愛した膨大な数の服やアクセサリー等の遺品が開封されました。
この映画では彼女が元在籍した杉野学園（ドレメ）の生徒らが登場して遺品が納められた箱を開封するところから始まりました。世界中から“東洋の神秘”と賞賛された伝説のモデル、山口小夜子さん。
私の印象では美しい切れ長の目で神秘的なイメージで声を聞いた事がなかったのですが映画を見て改めてとても素敵な女性だったのだと感動しました。
当時モデルの主流は外人のようなメイクだったのを日本人ならではの美しさを協調した切れ長のアイラインと黒髪のおかっぱヘアスタイルで個性を演出し世界のトップデザイナー達から愛されトップモデルになりました。
モデルはその洋服をいかに美しく見せるのかが仕事ですが、それをもっと深く突き詰めて表現者としてダンスパフォーマンスの世界でも活躍の場を拡げて行きました。この映画の監督の松本貴子さんはそんな山口小夜子さんの育った横浜で同級生を探してインタビューしています。
これがとても印象的でした。私も横浜に実家があり中学生から大学卒業、就職、結婚するまで横浜に住んでいたからです。
小夜子さんのご実家に近い桜の満開の公園で同級生の女性が思い出を話されました。小夜子さんのお母様は洋裁をされていて雑誌を見て同じデザインの洋服を作ってもらっていたそうです。その頃は普通の女学生だったのだと思いました。
元町にもよく行っていたとのお話で元町の老舗フクゾーも映画に出て来ました。
「あの赤、紺、白のチェックのジャケットを着て細身のジーンズを履いている男性素敵ね」なんて女学生の普通の会話をなさっていたというエピソードに素顔の小夜子さんの一面がわかって親しみを感じました。フクゾーのタツノオトシゴマークは職人さんの手刺繍なのご存知ですか？
よく見ると一枚一枚違うのです。丁寧で着心地よくてシャツなど愛用しています。
横浜元町は私の青春時代にハマトラファッションブームがありとても影響を受けましたが、団塊の世代の小夜子さんは外国人の多いこの街で中高生時代、どんなオシャレをされていたのかしら？と思います。あるテレビの番組で山下公園を歩いてインタビューに答えるのを見ました。「港に停泊している船を見ながらあの海の向こうの外国はどんな所なのかしら？行ってみたいと思っていたの。そしてよく“赤い靴を歌っていたの。」
まさに私の小さい時に考えたことと同じ言葉だったので感動しました。世界の小夜子さんでしたが当時はインターネットもなくて、外国がとても遠くに感じて憧れる普通の少女だったのだと思いました。
１９７０年代以降、パリコレで活躍されてアメリカ・ニューズウィーク誌で「世界の4人の新しいトップモデル」の一人に選ばれるという素晴らしい小夜子さん。
その後ダンスパフォーマンスの世界に進出、映画、演劇にも出演し、オペラや舞台衣装デザインも手掛けるように大活躍をされている中、５７歳という若さで惜しくも急性肺炎で２００７年８月１４日に急逝されました。
こんなに美しくてたおやかで素敵なモデルはいない、とこの映画に出演されている小夜子さんと親交のあった方達が皆口を揃えてお話されていました。是非この映画はお薦めです。氷の花火の文字通りクールに見える山口小夜子さんは花火のように情熱的で美しい女性だったのだと改めてファンになりました。横浜ニューテアトルで１月23日より上映されます。シアター・イメージフォーラムは1月15日まで。
映画の後は……
山下公園、元町、中華街、赤レンガ倉庫など山口小夜子さんの愛した横浜の観光名所を訪れてみてくださいね。去年の夏は横浜バイブレーション７０‘のイベントが開催されてハマトラファッションショーも開催されました。
冬はアイススケート場になり「アートリンクin 横浜赤レンガ倉庫」で２０１６年１月５日プリンスワールド・荒川静香さんによる特別スケート教室が開催されたそうです。こちらもまた機会があれば見てみたいです。
可愛いロンドンバスが元町を２６年ぶりに走行していました。
山口小夜子さんの生まれ育った横浜、是非いらしてみてくださいね。
映画「氷の花火〜山口小夜子」オフィシャルサイト
www.yamaguchisayoko.com
イメージフォーラム
www.imageforum.co.jp
横浜ニューテアトル
http://yokohamanewtheatre.web.fc2.com/
横浜赤レンガ倉庫
www.yokohama-akarenga.jp
ハマトラファションショー
http://www.arcship.jp/70syokohama/fashion/
横浜コレクション
http://yokohama-collection.com/
FUKUZO
www.fukuzo.com
キタムラ
www.motomachi-kitamura.com
