南イタリアの最先端、ブーツの形をしたイタリアのヒールの部分にあたるプーリア州。
とんがった屋根の家「トゥルッリ」が立ち並ぶおとぎの国のようなアルベロベッロ、
ギリシャのように真っ白な家が山肌をうめつくしているモンテ・サンタンジェロなど、
ヨーロッパで一度は行ってみたい候補地のひとつです。
私にプーリアの魅力を存分に教えてくれたのは、
レストラン勤務時代にホスピタリティー(おもてなし)について貴重な体験をたくさんさせてくれた
プーリア出身の元上司。現在彼は各国大使館、ラグジュアリーブランドの
パーティーなどのフードプロデュースをしています。
他に東京で2軒のイタリアンも経営。その内の1軒で、
正真正銘のプーリア料理を食べる機会に恵まれました。
お店の3周年を祝うため、プーリア郷土料理の名コックである彼の姉、
ソムリエの義兄を日本によんで一週間だけ特別メニューを提供していました。
「家族全員で」という南イタリア風のおもてなしです。
左手前が元上司のジョルジョ。
素敵なテーブルセッティングに期待が高まります。
ゴージャスな中にもアットホームさや親近感があるコーディネートです。
こちらのお店は麻布十番にあり、予約のみの営業をしています。
ジョルジョは20年以上も東京でラグジュアリーレストランビジネスに携わっていて、
その間に交流のあった人々がお客として訪れています。
ジョルジョが創り出す空間に賛同した人々のみが集まっているので、
世の中にお顔を知られたお客様も多いのですが、
こちらでは他のテーブルを気にせず安心してくつろいで食事を楽しまれています。
このジョルジョの考え方は、「ゴージャスだけれどアットホームなテーブルセッティング」
にも表現されているように思います。
お料理は前菜盛り合わせ、パスタ2種、メイン、デザートの構成です。
プーリアのプロボローネ、豚の首肉のハム、ムール貝のオーブン焼き、アサリのズッパ。
耳の形をしたオレキエッテと、濃いトマトソースの平打ちパスタ。
イタリアでは南に行くほどトマトが濃く美味しくなっていきます。
真ん中はプーリアのフォカッチャ。鉄のフライパンでキッシュのように焼き上げます。
ミートボールとトマトソースと一緒にいただきます。カリフラワーのフリットは
サクサクで甘く仕上がっています。
「地中海」と名付けられたドルチェ。
プーリアの代表的な果実、オレンジとレモンのみで作られています。
真夏のビーチでいただいたら、最高!新鮮なフルーツよりも新鮮に感じます。
真っ青な海と空、少し強めの陽射し、乾燥した空気・・・・
これらのプーリアの気候の恵みがもたらした食材を100%堪能できるメニューでした。
お料理をいただいている間中、グラビアでみたプーリアの
さまざまな風景が脳裏にうかんできて・・・・・きっとそう遠くはない時期にプーリアを訪ねると思います。
お料理を食べただけでその土地に行ってみたくなる・・・・
これがジョルジョ流の貴重なおもてなしです。