一足早い春を見つける鎌倉の寺社、花めぐり
その1 梅見編
こんにちは、寺社部長の吉田さらさです。
全国各地のお寺と神社を旅して、
お役立ち情報をお伝えしています。
今回は、まだ寒い境内でけなげに咲いている早春の花を愛でながら、
鎌倉の寺社を巡りましょう。
まずは、この季節を代表する梅見の名所をご案内します。
鎌倉は、かつては文化人たちの
避寒地として人気だったところです。
したがって、東京よりもあたたかく、2月の中旬から3月上旬にかけて
あちこちで梅が見ごろとなります。
鎌倉で最初に梅が開花すると言われるのは、荏柄(えがら)天神社です。
咲き始めは例年1月下旬。
こちらの神社は、菅原道真終焉の地に建てられた太宰府天満宮や
京都の北野天満宮と並ぶ、日本三大天神社のひとつです。
しかし、他の二つとはかなり規模が違い、山影にひっそり建っています。
数ある鎌倉の神社仏閣の中では、さほど観光客が多い方ではなく、
その分、静寂が保たれており、なかなかいい雰囲気ですよ。
こちらの本殿は寛永元年(1624)の鶴岡八幡宮若宮の社殿造営に伴い,
若宮の旧本殿を移築して再興されたもので、
建てられたのは14世紀ごろの可能性があります。
関東大震災などの影響で、鎌倉の寺社には古い時代の建物が少ない中、
この本殿はたいへんな貴重品で、重要文化財に指定されています。
荏柄天神社
http://www1.kamakuranet.ne.jp/egara/
引き続き、梅見の定番、北鎌倉のお寺を巡りましょう。
まずは、駅を降りてすぐの円覚寺からスタート。
まだ境内に入る前から、たくさん梅が咲いてますね。
わたしのお勧めの見どころは、方丈庭園の手前にある
石の百観音像と梅のコラボです。
境内右手奥の石段を登ったところの
弁天茶屋から眺める冠雪した富士山も、今が見ごろ。
円覚寺
まだまだご紹介したい梅の見どころが次ページに続きます。
次は、梅の名所として名高い東慶寺へ。
古来より、離婚したい女性が逃げ込んだ「駆け込み寺」としても有名でした。
境内には、よい枝ぶりの紅梅・白梅が咲き乱れ、甘い香りが満ちています。
それともうひとつ、「水月観音」という、世にも美しい観音様の像があります。
これは、普段は入れないお堂の中に祀られています。
少し体をひねって腰掛けるポーズも何やら色っぽく、
鎌倉一の美人仏として誉れ高い観音様ですが、
電話、もしくは往復はがきで拝観予約をしなければ拝ませていただけません。
お出かけの日が決まったら、忘れずにアポ取りしておきましょう。
東慶寺
東慶寺の山門からさらに200mほど進むと、
わたしが鎌倉でもっとも好きな寺のひとつ、浄智寺があります。
鎌倉の寺は、奈良や京都の寺とくらべて
ぐっと山が近く、自然が境内にまで入り込んでいるのが特徴ですが、
ここ、浄智寺では、いっそう強く、それを感じます。
背後の山と一体となったような佇まいと静けさ。
できたら平日の、人が少ない日に出かけて、
趣きある建物と梅が作り出すえも言われぬ風情を楽しんでください。
お堂の中には、阿弥陀如来、釈迦如来、弥勒如来の三つの仏様が、
ほぼ同じ大きさで並んでいます。これは少々珍しいことです。
阿弥陀如来は過去、釈迦如来は現在、弥勒如来は未来を表します。
これを「三世仏(さんぜんぶつ)」と言います。
早春の午後、ひとりでここに来て、人生の来し方、行く末に思いを巡らす。
わたしはそんな過ごし方が好きです。
浄智寺
http://www.kamakura-maps.com/articles/memo-k1k1-41-jochiji.html
山に向かって建てられ、自然が近い鎌倉の寺社では、
梅以外にも、さまざまな花を愛でることができます。
後編では、梅以外の早春の花を見られる場所についてご案内いたしましょう。
吉田さらさ
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