新緑の伊豆の旅(前編)
歴史ある温泉街、土肥(とい)を歩く
こんにちは、寺社部長の吉田さらさです。
全国各地のお寺と神社を旅して、
お役立ち情報をお伝えしています。
今回は、新緑と温泉を楽しむ伊豆の旅。
もちろんお寺にも立ち寄りました。
どこの地方にも、その土地の歴史を伝える寺社があり
ふらりと出掛けた旅を、より奥深いものにしてくれます。
さて、伊豆と言えば伊東や下田などの東伊豆を思い浮かべる方が多いでしょうが、今回わたしが訪ねたのは西伊豆です。こちら側は電車がなく、観光客は少なめ。
開発が進んだ東伊豆と比べて、おしゃれなホテルやレストランなどはあまり見かけませんが、その分、まだまだ自然が残り、海の風景もダイナミック。ちょっとした秘境気分も味わえます。金山やお寺など、独特のパワースポットも存在感を示しています。
車で行くのもよいですが、路線バスを乗り継いでのんびり観光するのも楽しいものです。
まずは、このエリアでも歴史の古い土肥温泉に行ってみました。
あまり知られていないことですが、江戸時代の伊豆にはたくさんの金山があり、 中でも、ここ、土肥にあった金山は、有名な佐渡金山に次ぐ生産量を誇っていたそうです。
推定産出量は金40t、銀400t。しかし金山は昭和40年に閉山しました。
その後は観光坑道として利用され、現在は江戸時代の採掘作業の風景を等身大の人形が当時の様子を再現するテーマパークになっています。
それほどたくさんの金が採れたのですから、この地には一攫千金を目指す多くの人が集まり、たいへんにぎやかな街となりました。
こちらには、さまざまな資料を展示した建物もあり、当時の様子を知ることが出来ます。
ここには、相場12億円の展示物も! 次のページに続きます。
土肥金山には、世界最大級、250キロの金塊も展示されています。
金価格は日々変動しますが、現在の相場では、おおよそ12億円。
むろん一生ご縁のない金額ではありますが、これだけ大きな金塊にしては意外に安い、という印象。
こちらに併設されたレストランでは、
「いずしか」と言って、伊豆の山中で獲れた鹿の肉を使った料理もいただけます。
こちらでは、鹿肉を揚げてカツにして、カツカレーやどんぶりにアレンジしています。鹿肉料理はフレンチなど高級なものが多いけれど、近年は各地方でさまざまな料理が考案され、気軽にトライできるようになりました。
クセや臭みがまったくない食べやすいお肉でした。
土肥金山のホームページはこちら
金山で賑わったころとは違い、現在の土肥は静かな温泉街。
しかし、往時の名残は各所に残っています。
人が多いところには、当然お参りの場所が必要ということで、お寺や神社もあちこちに。
中でも興味深いのは、この安楽寺です。
こちらは曹洞宗の古刹ですが、境内の奥に不思議な洞窟があり、その中には、何と温泉が湧いています。
実はここは、もともと金山の坑道でした。
ある時住職が、病気平癒の祈願をしたところ、この温泉が湧きだしました。
これは「まぶ湯」と呼ばれ、土肥温泉発祥の湯です。
昔は、多くの人々が薬効を求めて入浴したそうですが、現在は、入浴はできず、見学のみ。
しかし、傍らのお地蔵さんに湯をかけてお参りすると、ご利益があると言われます。
安楽寺の情報はこちらです。
http://kanko.city.izu.shizuoka.jp/form1.html?c1=5&c2=1&aid=3&pid=2533
次のページでは、日本一の巨大達磨大師像が祀られた達磨寺へ!
土肥の温泉街からは少し離れていますが、海と富士山を見晴らす絶景の地にある達磨寺もお勧めです。
こちらは京都の達磨寺として名高い法輪寺の末寺として建てられた寺で、
日本一の巨大達磨大師像「不死身達磨大師」がご本尊として祀られています。
像高5m、重さ3トン。表情は厳めしいのですが、どこかユーモラス。
「不死身」というお名前も、もしかすると、「富士見」と引っかけたダジャレでもあるのかな。
その他、建物内にも境内にも、達磨さんに纏わるお参りどころがいっぱい。
カラフルで楽しい達磨さんたちを眺めていると、
何だか気持ちがおおらかになってくるのでした。
お泊りは、今回は、土肥より少し北にある戸田(へだ)温泉にいたしました。
富士山と海の絶景をひとり占めにできるお風呂があり、お食事は、目の前の海で獲れた魚介類がてんこ盛りです。
とりわけ、タカアシガニが珍しいです。
日本近海の深海に生息する足の長いカニで、
古生代から変わらぬ姿をしているため、「生きた化石」とも呼ばれます。
戸田の前の海は駿河湾。ここは、日本でもっとも急激に海が深くなっているところで、深海魚の宝庫です。タカアシガニも深海魚の一種で、水深200~300メートルほどのところから、トロール船による底引き網で獲るのだとか。
駿河湾では、それ以外にも珍しい深海魚がたくさん獲れ、
他では食べられないものとして人気が高いようです。
海のほてる いさば
タカアシガニについてもっと知りたい方は、こちらをごらんくださいませ。
http://www.zukan-bouz.com/kani/kumoganika/takaasigani.html
吉田さらさ
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