昼間の美術館も好きですが、限られた期間だけ、夜に開館してる時があるので、非日常を味わいにたびたび訪問します。
金沢市内の美術館でナイトミュージアムを、開催していたので行ってきました。
ドウダンツツジの紅葉が綺麗と評判の寺島蔵人(てらしまくらんど)邸です。
高い土塀に囲まれた家の中にはいると、落ち着いた和の空間が広がります。
観光客も少なく、静かな中でお庭を鑑賞します。寺島蔵人さんは加賀藩に仕えた中級武士で、画家としても知られていて、数々の秀作が遺されています。
蔵人さんの絵や調度品も展示してあるお部屋にいく廊下は鶯張りになっていて、足を進めるときゅっきゅつと下から聴こえてきます。
子供のように何度も往復したくなります。(笑)
残念ながら、紅葉にはまだ早かったのですが、ライトアップされた緑のドウダンツツジが鮮やかです。木の下の飛び石の上を歩きます。それはそれで乙なのですが、先日、紅葉目当てでまた行ってきました。
10月に見た風景とはまた趣きが異なり、開け放たれた障子の向こう側に赤々と燃えるドウダンツツジが、広がっています。
雨上がりだったので、しっとりとしたお庭に鮮やかな紅葉が素晴らしかったです。中級武士ながら、美意識の高い蔵人さんのセンスがひかるお庭でした。
お茶室でお抹茶をいただくこともできます。畳の上で、ゆっくりとお庭を眺める時間こそ、ぜいたくですね。
さて、ナイトミュージアムにもどります。
次に訪問したのは、寺島蔵人邸から、数分のところにある泉鏡花記念館です。
近くに所用でくることはあっても、まだ一度も足を運んだことがなかった記念館です。泉鏡花は、金沢が生んだ文豪のひとりで、浪漫と幻想の作家と呼ばれています。と、いいながら、鏡花作品は『高野聖』ぐらいしか、読んだことがなく、勉強不足を後悔しました。映画化された作品では、『夜叉ヶ池』などがあります。夏にオテラートで回った浄光寺 さんに展示してあった鏡花作品の『化鳥』のコーナーもありました。
鏡花の生家の跡地に建てられた記念館は、趣きは、日本家屋ですが、、館内は、ナチュラルな現代風になっています。やはり、こちらも観光客は少なくて館内を歩くと、自分のパンプスの音だけが響きます。
ちょうど、泉鏡花作品の「天守物語」の展示がされていました。宇野亜喜良さんと山本タカトさんが天守物語をテーマにして制作された作品が並んでました。
静かな夜の幻想的な雰囲気が鏡花の作品のイメージと重なり、ナイトミュージアムの良さが倍増しました。
最後は2月にランチをした玉泉邸です。
こちらで法事を執り行うことになりましたので、再度、美味しいお食事を堪能するチャンスがやってきました。
春にはまだ発表はされてなかったけれど、夏にミシュランの一つ星に選ばれました。
冬の終わりのあられ模様とはうってかわって、小春日和の暖かい日でした。前回のテーブル席ではなくて今回は個室で掘りごたつ形式のお部屋でした。
お食事中、お庭を散策する人たちがお部屋の前を歩いていくのが窓越しに見えます。食事後にお庭を散策して、堪能してください、との中居さんの言葉に気もそぞろです。
あんなに暑かった夏が終わり、いつの間にか底冷えの日が続くと、秋の期間って少ないなぁと感じます。でもその1日の寒暖差が木々の葉っぱを色づかせてくれると考えると、寒さもガマンですね。
皆さま。風邪などひかれませんように。
金沢ナイトミュージアム
https://www.nightkanazawa.com/
寺島蔵人邸
http://www.kanazawa-museum.jp/terashima/
泉鏡花記念館
http://www.kanazawa-museum.jp/kyoka/index2.html
玉泉邸
http://www.gyokusen-tei.jp/