外出を心弾むひとときに、京の花々が咲き乱れる傘
『祇園祭』が近づくと、京都は、本格的な夏を迎えます。毎年、平均気温は上昇し、京の夏も、以前に比べ、猛烈になったと噂されるこの頃。強烈な紫外線が、肌を刺すように注ぐ京の町の外出には、美しい白肌を守るために、和装、洋装を問わず、必要なのが日傘です。なかなか気に入った日傘に出会わず、紫外線予防効果だけで選んだ黒い傘。でも差すと影が顔に落ち、顔色が悪く見え、どうも心が弾みません。厳しい暑さの昼間の外出が憂鬱になっていた時に見つけたのが、「椿ラボ京都」の「koha」ブランドの晴雨兼用傘。
華やかなプリントが、傘一面に…まるで花園にいるよう…。このプリントは、京都生まれのクリエーターの久和恵(くわめぐみ)さんのオリジナル。日本の季節の植物をモチーフに、デザインされたプリントは、どこか西洋風のテイストです。「ジャングルですか?」とお客様に聞かれるというプリントは、『実家』と名付けられ、よく見ると、アロエ、ソテツ、菊、百日紅、都忘れ、雛菊などが描かれています。「実は、実家の庭にあった植物からデザインしたんです」と久和さん。
昔からある京都の個人宅の庭には、ソテツやバナナの木を見ることが…。「南天や竹などが植わる和風の庭に、なんでこんな木があるんだろって思ったものです。どうも南国情緒あふれる宮崎や熱海への新婚旅行が憧れだった時代に、庭に植えたんじゃないかと…。でも、そんな和と洋の植物が混在する庭を眺めていると、不思議に心惹かれるものが…」と、それで生まれたデザインだそう。「京都だからと言って、和風になりすぎるデザインはどうも…」という久和さんの傘には、和服にも、洋服にもマッチする和洋折衷の魅力が潜みます。
上質コットンのローン地に、京都の優れた染色技術で染めあげ、布の段階で、表には超撥水加工、裏には、紫外線を防ぐUVカット加工を施し、突然の雨にも、しっかり対処できる優れものに。京都の傘職人さんが、丁寧に仕上げた傘は、万が一、壊れても修理可能なのだそう。「自分が気に入ったものを永く大切に使いたい…」という久和さんの思いが作った傘です。
強い紫外線をしっかり防ぎながらも、明るい陽射しが、やさしく傘の内側にあふれ、顔を明るく若々しく見せてくれる傘。また心が沈みがちなどんよりとした雨の日には、傘の上の植物が、雨の恵みでイキイキと蘇り、パワーをくれるような気がします。
「夜目、遠目、傘の内…」、夜の闇や遠くから、また薄暗い傘の中で見る女性は美しいという意味ですが、素敵な傘をさしている女性は、夜でも遠くからでも、やはり目を惹くもの。京の景色にも、しっとりと馴染む、美人傘です。
椿ラボ京都
京都市中京区三条通烏丸西入ル御倉町79 文椿ビルヂング1階
☎075-231-5858
小原誉子
ブログ「ネコのミモロのJAPAN TRAVEL」 http://blog.goo.ne.jp/mimoron/